角川ホラー文庫<br> 角の生えた帽子

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角川ホラー文庫
角の生えた帽子

  • 著者名:宇佐美まこと【著者】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • KADOKAWA(2020/11発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041096925

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内容説明

何度も同じような夢を見る。それはさまざまな女をいたぶり殺すことでエクスタシーを覚えるという夢だ。その夢はまるで自分が手を下したかのような錯覚に陥るほど、リアルなのだ。ある日、自分が見た夢と同じ殺人事件が起こっていると知る。犯人逮捕のニュースには、自分と同じ顔をした違う名前の男が映っていた―ー。運命の残酷さに翻弄される悲劇を描いた「悪魔の帽子」ほか、植物に取りつかれた男を描いた「花うつけ」、主人公が犬嫌いになった理由があかされる衝撃のラスト「犬嫌い」、著者の出身地である松山が舞台の正統派ゴーストストーリーの「城山界隈奇譚」などの他、文庫化にあたり雑誌掲載原稿を2篇、文庫版書下ろしも収録した充実の十二篇。登場人物たちの心の昏闇や地獄は、自分の中にもあると気付いたとき、すでに著者の術中にはまっている。一度読み始めたら、止められない語り口、一気読み必須の正統派怪談。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

H!deking

99
宇佐美さんの短編集第2弾!今回もめちゃくちゃ面白かったー!!全部面白かったけど最後の話特に好きでした。ぞわっとするけど止まらないです。これは癖になりますね。2021/02/28

アッシュ姉

88
これまた面白かった。デビュー作『るんびにの子供』も良かったが、さらに進化を遂げた印象。ぞくぞく怖くてワクワク、あっと驚く展開にハッとする結末、じわじわとどこまでも余韻が追いかけてくる。各編毎に異なる味わいがあとを引き、クセになるウマさ。好みだったのは「空の旅」と「左利きの鬼」。マイベストはああ面白かったと締めくくれた「湿原の女神」。文庫化にあたり書き下ろし含む三編がプラスされているので、単行本で読んだ方にも是非オススメしたい。2021/05/25

スエ

85
悪夢、過去、怨念、執着、トラウマ。などなど、様々なワードが飛び交う異空間を彷徨うような短編集っ!!2020/12/31

sin

84
往々にして日本人男性には家父長制の名残か女性を蔑ろにする傾向があるが、最近は大人になれない男が増えたせいか家庭における居場所を無くし、妻に蔑ろにされる夫も増えてきたように思える。そんな現代社会の歪さを下敷きに殺意、復讐、悪意、執念、執着、男の身勝手、トラウマ、逃避、依存、女の身勝手、欺瞞を描く…各々のストーリーは凡庸さを感じさせるほどに完成されていて、これは厭な人間味の標本箱に思える。2022/07/11

HANA

80
恐怖小説短編集。超自然現象もあるのだが、大本の根源となっているのは人の心。結局はそれに囚われ、それを元に地獄が顕現し、どこにも逃げ場がない話ばかりであった。逃げ場が無い代表的なものが「空の旅」や「花うつけ」だと思うが、それらが主観的な怖さだとすると客観的で本当に怖いのが「赤い薊」。結局あるものを隔てても逃げられない。一方で「城山界隈奇譚」や「湿原の女神」等、一種の爽やかさを持った作品もあり、この辺は著者の守備範囲の広さを物語っているなあ。個人的にお気に入りなのは「夏休みのケイカク」。この後味の悪さはいい。2022/07/09

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