イースト新書<br> 獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち

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イースト新書
獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち

  • 著者名:田中淳夫【著】
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • イースト・プレス(2020/10発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784781651279

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内容説明

「住処を奪われている」のは、人間の方だった。

食害、人身被害、生態系の破壊、そして感染症……
「動物愛護」が通用しない、日本の緊急事態に迫る!

・列島全域が「奈良公園」状態
・コンビニ前にたむろするイノシシ
・レジ袋片手に冷蔵庫を荒らすサル
・鳥獣被害額は年間1000億円以上?
・ネコは猛獣! 野生化ペットが殺す自然
・コロナ禍は獣害! 人獣共通感染症の恐怖
・食べて減らす? 誤解だらけのジビエ振興

近年、街中にシカやイノシシ、クマが出没して、よく騒ぎになっている。ニュースなどでよく目にする場面だが、そうした野生動物による「獣害」の深刻な実態を知る者は少ない。
駆除数はシカとイノシシだけで年間100万頭を優に超え、農林水産業被害の総額は、報告されていないものを含めれば年間1000億円を超えるといわれている。
「人間は動物の住処を奪っている」と思っている人は多いが、現在の日本においてはむしろ「動物が人間の住処を奪っている」のだ。
本書では、これまで様々な媒体で動物とヒト、そして森の関係を取り上げてきた森林ジャーナリスト・田中淳夫氏が「なぜ野生動物はこれほどまでに増えたのか?」「共存の道はあるのか?」といった難問に挑む。
動物愛護の精神だけでは解決しない「日本の大問題・獣害」について、偏見を捨て、改善に向けて現状を認識するための必読書。

【目次】
はじめに

▼第一章 日本は野生動物の楽園?
・身近な野生動物、イヌとネコ
・列島全域が「奈良公園」状態
・コンビニ前にたむろするイノシシ
・寝たふりできないクマの激増ぶり
・レジ袋片手に冷蔵庫を荒らすサル
・ラスカルは暴れん坊! 外来動物の脅威

▼第二章 破壊される自然と人間社会
・鳥獣被害額は一〇〇〇億円以上?
・森林を草原にする知られざる破壊力
・檻と化した集落に閉じ込められた人々
・ネコは猛獣! 野生化ペットが殺す自然
・コロナ禍は獣害! 人獣共通感染症の恐怖

▼第三章 野生動物が増えた本当の理由
・国が野生動物を保護した時代
・仮説(1) 地球温暖化で冬を越しやすくなった?
・仮説(2) ハンターの減少で駆除できない?
・仮説(3) 天敵のニホンオオカミが絶滅した?
・飽食の時代を迎えた野生動物たち

▼第四章 食べて減らす? 誤解だらけのジビエ振興
・害獣駆除で生じる「もったいない」
・期待される猟友会の危うい現実
・野生動物がジビエになるまでの関門
・シカ肉がビジネスになりにくい理由
・野生動物の資源化と駆除の担い手
・獣害対策は防護と予防にあり

▼第五章 獣害列島の行く末
・トキは害鳥! 苛烈な江戸時代の獣害
・獣害が少なかった時代の謎解き
・戦後に激変した日本列島の自然
・撤退する人間社会と狙われる都会
・「カワイイ」動物はなぜ生まれる?
・築けるか、人と野生の共生社会

おわりに
主な参考資料一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

56
奄美大島でマングース駆除に従事する知人によれば、アマミノクロウサギの一番の敵はノラ猫だという。絶滅が見えてきたマングースに対し、猫は一向に減らないと。「『あらいぐまラスカル』は害毒アニメだ」とも言っていた。あの番組がきっかけで輸入されたアライグマが全国で野生化し、獣害をもたらしているのは環境保護の現場では常識なのだ。人身や農業被害も毎年のように報じられる昨今、なぜ日本がこんなに獣害多発地帯になってしまったのかを分かりやすく解説してくれる。人は人と距離を置けるが、人と動物の適切な距離の置き方は何とも難しい。2021/01/10

ピンガペンギン

26
「となりのツキノワグマ」が面白かったので借りてきた。著者は森林ジャーナリストで昔から野生動物に関心があった。動物の専門家ではないので、物足りないという感想を持つ方もいるようだが、現在の状況についてはまとまっていて読みやすい本。鹿、イノシシとも年に60万頭駆除されている。鹿は646万頭生息する可能性あり。クマについては猟友会(狩猟愛好者の団体)が出動するとき、以前はボランティアで社会貢献に近かった。最近は謝礼金が2-3万円になり仕事の奪い合いも?(命がけの仕事で2万円は安いと思うのが普通の感覚では。)2025/08/17

おおにし

23
田舎住まいで鳥獣被害の話は周りでよく耳にするが、都会の獣害もペット動物の野生化で深刻な状況になってきて、まさに獣害列島日本である。かわいいという理由で保護し、危害を加えるから殺すというような人間の都合での獣害対策ではなく、鳥獣と共存し獣害を容認できるレベルの個体数保持をめざす方策が必要であるという著者の主張には賛同する。ただし、アニマルウェルフェアという理念が世界に広まってきており、動物虐殺と海外からの非難を浴びないような鳥獣駆除が今後求められるでだろう。獣害対策は最難関の課題であることがよくわかった。 2021/09/27

ようはん

19
シカやイノシシ等の野生動物は割と食べる範囲が広く草食のシカでも時には肉食もする、中途半端な防護柵なんかは簡単に破ると想像した以上にアグレッシブなんだなと読んでて思った。一番身近なネコですらも一年に狩る獲物の量の多さ等、知らなかった事が多かった。2021/01/21

Ezo Takachin

13
大本をただせば人間の身勝手かつ管理の甘い生活が獣害を生んでいる。ペットの犬や猫も獣害になってしまう恐れがある。自然との共存が叫ばれるようになって時間がたつが、減らすのは難しいと感じた。自然保護の観点からの動物保護も簡単ではあるが、それにより生態系のバランスも変化し、逆に悪影響を与えてしまうこともある。2020/11/05

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