内容説明
兄からの頼みで船橋市消防音楽隊の説明会に参加した栗原優芽。高校生である彼女は、今まで経験してきた吹奏楽部との違いに戸惑うが、そこに現れたのは帝国芸術大学に通う憧れのフルート奏者・近藤奈々子だった。幼馴染の笹木智子とともに参加を決める優芽。しかし、この楽団は想像以上に難しい場所で……。個性豊かなメンバーと奏でる、新しい音。少女たちの成長を描く青春小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黒瀬 木綿希(ゆうき)
116
消防音楽隊。事故災害現場で戦う消防・救急隊員が音楽を通じて市民と消防の融和を図るための広報組織。消防士である兄の頼みで音楽隊に加わった高校生優芽は部活とは在り方が違う楽団に戸惑い、おまけにいけすかない消防隊員と知り合ってしまう。しかしここから青春小説ならではの眩しい展開が待つ。決して優しいだけではない。憧れた奏者との確執、火災現場でも戦う隊員の大ケガ、果ては楽団存続の危機にいけ好かないヤローとの色恋沙汰など要素は盛りだくさん。彼ら彼女らの活躍をもっと見たくなる作品でした。2020/11/10
ツン
76
オーディションでの菜々子の演奏と、それを聞いた優芽のところが良かった。あの演奏を引き出しただけでもすごいことだと思う。2023/06/11
いたろう
63
地元船橋が舞台ということで手に取った。消防活動の広報目的で、各市の消防署に消防音楽隊が作られているが、本作の舞台は、船橋市消防音楽隊。もっとも、本物は、船橋市消防局音楽隊という名前らしいけど。主人公は、市民隊員として、船橋市消防音楽隊に加わることになった高校1年の優芽。普段は消防士として働きながら、音楽隊に所属する消防署員たちや、他の市民隊員たちとの練習や演奏活動が結構熱く、恋愛模様もあるなど、みずみずしい青春小説になっている。楽器を演奏しながら隊形を変えていくのを「ドリル演奏」ということを初めて知った。2021/12/26
よっち
41
兄からの頼みで船橋市消防音楽隊の説明会に参加した女子高生・栗原優芽。幼馴染の笹木智子とともに参加を決めた優芽が、楽団の危機に仲間たちとともに奮闘する青春小説。市民隊員募集で出会った憧れのフルート奏者・近藤奈々子の存在、流れを変えようとする若手に不満をもつ存在、そして明らかになる楽団存続の危機。全体的にやや展開が早かった感もありましたけど、消防団の中にある音楽隊が存続する難しさやそれぞれの人間模様も描かれて、ぶつかり合いながら成長して、紆余曲折の末にまとまった楽団にもたらされた結末はなかなか良かったですね。2020/11/29
み
21
さくさくと♪あ〜早く団の練習に参加したい(ノ_<)コロちゃんのバカ!お話しは、高校生ってイイよね、と遠い目をしたくなる青春モノでした。2021/02/14