ワクチン・レース - ウイルス感染症と戦った,科学者,政治家,そして犠牲

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ワクチン・レース - ウイルス感染症と戦った,科学者,政治家,そして犠牲

  • ISBN:9784758112130

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内容説明

1962年6月霧雨の朝,ある若い科学者が仕事へ出かけていった―ワクチン,細胞老化,産学連携を結ぶヘイフリック.彼や関係者証言から60年代の熾烈な風疹ワクチン開発を描くノンフィクション.解説/岩田健太郎

目次

プロローグ

第1部 細胞
第1章:はじまり
第2章:発見
第3章:ウィスター再生
第4章:染色体異常と中絶
第5章:死にゆく細胞と定説
第6章:スウェーデンからやってきた細胞
第7章:ポリオワクチンの〝お客様〟
第8章:人体実験

第2部 風疹
第9章:姿を見せた厄災
第10章:小さな命を襲う災い
第11章:狂犬病
第12章:孤児と市井の人々
第13章:馴染みの悪魔
第14章:政治と圧力
第15章:大脱走
第16章:熊の穴
第17章:細胞をめぐる闘い
第18章:DBSの敗北
第19章:躍進

第3部 WI 38細胞をめぐる攻防
第20章:奪われた命とスカイラブ
第21章:細胞Inc.
第22章:苦難の道
第23章:ワクチン開発競争
第24章:生物学Inc.
第25章:ヘイフリック限界の解明
第26章:ブート・キャンプの病原体とバチカンへの嘆願
第27章:巣立ちのとき

エピローグ:その後

謝辞

解説/岩田健太郎

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mawaji

6
ワクチン開発の光と影を綿密なリサーチに基づいてまとめ上げられた一冊、とても興味深く読みました。中絶胎児組織を無許可で使用することの当時の認識も今から思えば問題山積ですが科学者としてワクチン開発に真摯に取り組んだヘイフリックらはとても頑張ってくれたと思います。哲学的に考えればワクチンの恩恵を受けているわれわれは皆ひとしくWI-38の胎児との間に物理的なつながりがあるといえよう。新コロワクチンの副反応の報道を見ると「今さら感」が拭えませんが本書を読むとコミナティはとても安全かつ慎重に作られたものと思われます。2021/02/27

キミ兄

3
ワクチン培養のためのクリーンな細胞を手に入れるのがこんなに大変だとは。確かに人間の細胞ならば生まれながらにウィルスに感染していても害がないことは分かっているのでサルとかよりは無害だということは分かる。それにしても生々しい。☆☆☆☆。2021/02/06

vonnel_g

2
ヘイフリック限界で有名なレオナルド・ヘイフリックを中心に語られるポリオ・風疹・狂犬病のワクチン開発の光と闇。すごく面白かった。ヘイフリック限界のアイデアがこういうところから出ていたとは。ワクチンの製造に関してはmRNAという大ブレイクスルーが出てしまったので、ここにあるような方法はいずれ過去のものになるのかなと思った。日本はポリオと狂犬病は清浄国だけれど、今でも風疹は妊婦の渡航に関して注意喚起がされている程度に流行しているという事実を改めて噛み締める。2021/09/24

かさご

1
スウェーデンで中絶した胎児の肺からとった細胞を培養 WI-38。WI-38細胞は20億人以上に免疫をもたらしたワクチンの製造に使われてきた。2021/04/17

Eri

1
最高に面白かった。事実は小説よりも奇なりというが、これがわずかここ60年の出来事で、史実であることが信じられないくらい、ドラマに富んだ物語だった。私達が当たり前に、注射が嫌だと文句を言いながら受けているワクチンが、どれほど多くの試行錯誤と、犠牲になった細胞や被験者と、くだらない政治をくぐり抜けて世に出ているのかを知り気が遠くなりそうな思いがする。子供の頃に風疹にも水疱瘡にも当たり前にかかっていた事を思うと日本がワクチン後進国というのも納得だ。ワクチンの歴史を知るための教科書として一家に一冊置いておきたい。2021/01/18

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