老いと踊り

個数:1
紙書籍版価格
¥5,280
  • 電子書籍

老いと踊り

  • 著者名:中島那奈子/外山紀久子
  • 価格 ¥5,280(本体¥4,800)
  • 勁草書房(2020/11発売)
  • ポイント 48pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326800605

ファイル: /

内容説明

年齢を重ねたダンサーを起用したピナ・バウシュやジャドソン教会派、100歳を超えても踊り続けた大野一雄、老いを成熟とみなす能や踊りの分析をとおし、長時間労働と規律化が可能であるがゆえに近代で理想とされた「若い」身体の価値を再考、脱主体、脱近代的な身体の可能性を探る。

目次

はじめに

序章 老いのパフォーマティヴィティ──老いる踊り手、老いない踊り[中島那奈子]
 はじめに
 一 技術的な転回──生政治と老い
 二 美学的転回──老いの美学
 三 芸術的転回──老いと踊りの文化横断的研究

第I部 踊りの遺産

第1章 制作と稽古と継承のはざま──ピナ・バウシュの《春の祭典》が遺したもの[ガブリエレ・ブラントシュテッター](古後奈緒子・針貝真理子訳)
 はじめに
 一 《春の祭典リハーサル》──市田京美とのバウシュのリハーサルについて
 二 《春の供犠》 ──コンテクストと伝達の作法
 おわりに

第2章 老いと舞踊の哲学──絶対的他者としての老者の舞[貫成人]
 はじめに
 一 老いの実相
 二 老いをめぐる歴史の諸層
 三 老いの哲学
 四 老いと舞踊──弱さを逆手にとること

第3章 ダンスにおける痛みの身体[イヴォンヌ・レイナー](外山紀久子訳)
 はじめに
 一 私の場合
 二 老いていくパフォーマーたちとどう創作するか?
 おわりに

第4章 コンテンポラリーダンス、長寿、人生の意味[ラムゼイ・バート](越智雄磨訳)
 はじめに
 一 老いをめぐる様々な言説
 二 消費主義と老い
 三 老いとダンス・パフォーマンスのポテンシャル
 四 カウンターカルチャーとダンス
 五 新自由主義時代の抵抗の場としてのダンス
 おわりに

第II部 伝統での老いとポスト・ジェネレーション

第5章 上演の考古学──メレディス・モンクの《少女教育再訪》とレノーラ・シャンペーン作、出演によるソロ・パフォーマンス作品《メモリーの物置》[レノーラ・シャンペーン](常田景子訳)
 はじめに
 一 メレディス・モンクの《少女教育》を再訪する
 《メモリーの物置》シノプシス(二〇一四年)
 《メモリーの物置》(二〇一四年、東京での上演のためのソロ・パフォーマンス台本)

第6章 論説と鼎談──日本舞踊と老い
 一 老いと舞踊[渡辺保]
 二 老いる未来と若返る伝統[花柳寿南海×花柳大日翠×渡辺保]
 三 解題[中島那奈子]

第7章 日本における「老い」と「踊り」[尼ヶ崎彬]
 はじめに──二つの問題
 一 「老い」とは何か
 二 「衰退」としての老い
 三 「年功」としての老い
 四 「余生」としての老い
 五 老いた身体──大野一雄の場合
 おわりに──展望

第III部 グローバル化する老いのダンスドラマトゥルギー

第8章 老女と少女の物語[やなぎみわ](文責・中島那奈子)
 はじめに──美術と演劇の並走
 一 「マイ・グランドマザーズ」
 二 「グランドドーターズ」
 三 「フェアリーテール」
 四 「ウィンドスウェプト・ウィメン・シリーズ」
 五 《関寺小町》の舞踊について
 六 日本の老女の表象
 七 《日輪の翼》

第9章 日本の神話と儀礼における翁童身体と舞踊[鎌田東二]
 はじめに──談山神社「談山能」(二〇一四年五月一三日開催)における《翁》と「摩多羅神面」から
 一 老いの神性としての「翁」神──『八幡愚童訓』の事例
 二 日本の神話と儀礼における「老い」と「若」の表象──霊性の軸としての「翁童」表象~稲荷神・猿田彦神・八幡神
ほか

最近チェックした商品