岩波文庫<br> 釈迦

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岩波文庫
釈迦

  • 著者名:武者小路実篤
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 岩波書店(2020/10発売)
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  • ISBN:9784003105061

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内容説明

仏教の開祖・釈迦の生涯を,人間愛を唱えた武者小路実篤(1885─1976)が伝記小説にまとめた.人を超えた人への尊崇の思いと共に,一言一句に同じ人間としての釈迦への篤い共感が,全篇に溢れる.真摯さと共にユーモアも感じさせる名文から,人として記憶に刻んでおきたい人類の至宝の道程が分かり易く丁寧に語られる.(解説=石井公成)

目次


一 釈迦族の生んだ最大人物
二 釈迦の先祖の話
三 新しい国の建設
四 浄飯王と摩耶夫人
五 誕生
六 阿斯陀仙人の予言
七 摩耶夫人の死
八 不思議の子
九 最も美しい特色
一〇 虫の死を憐れむ
一一 耶輸陀羅姫
一二 結婚
一三 太子の煩悶
一四 出家の願
一五 太子と耶輸陀羅妃の会話
一六 太子、老人に出逢う
一七 羅 羅の誕生
一八 太子、出家の意志を父王に語る
一九 王様の嘆
二〇 太子の出家
二一 七日間の森林中の静坐と始めての乞食
二二 跋伽婆仙人を訪う
二三 王舎城にて頻毘娑羅に逢う
二四 阿羅邏迦羅摩の弟子になる
二五 父浄飯王よりの使
二六 阿羅邏迦羅摩の下を去る
二七 尼連禅河の辺での修行
二八 苦行
二九 苦行をやめる
三〇 仏陀となる
三一 仏陀の自覚
三二 五人の弟子
三三 耶舎及び六十一人の弟子
三四 三十人の男
三五 迦葉の三人兄弟の改宗
三六 再び頻毘娑羅王に逢う
三七 王、竹林精舎を造立す
三八 舎利弗と目 連の二大弟子加わる
三九 人々、仏陀の為に出家する者多きを非難す
四〇 長爪梵志との問答
四一 大迦葉来たる
四二 名医耆婆の願
四三 夜中須達長者、仏陀に逢う
四四 須達長者、祇園精舎を建立
四五 波斯匿王、仏陀を訪う
四六 浄飯王、仏陀に使を送る
四七 優陀夷、仏陀に逢う
四八 仏陀、迦毘羅城に帰る
四九 耶輸陀羅妃
五〇 仏陀と耶輸陀羅妃の対面
五一 仏陀、父王に説法す
五二 王の心配と諸王子の出家
五三 優婆離の出家と諸王子
五四 残れる人達
五五 跋提の楽しみ
五六 浄飯王の死
五七 摩訶波闍波提等五百人の女の出家
五八 若き僧の質問
五九 婆羅門種の二人の弟子
六〇 仏弟子同志の争
六一 三人の出家王子の美しき生活
六二 須提那の破戒
六三 達尼迦の破戒
六四 優陀延王と賓頭盧
六五 羅 羅と毒蛇
六六 羅 羅なぐられる
六七 毘舎 の布施
六八 玉耶の改心 附けたり婦道
六九 仏陀と調馬師
七〇 糞尿をあびた尼提の出家
七一 大愚槃特の悟
七二 阿那律、肉眼を失って天眼を得る
七三 聞二百億の琴の譬
七四 阿難と若き旃陀利の女
七五 鬼子母の改心
七六 迦留陀夷よく叱られる
七七 迦留陀夷、偸蘭難陀比丘尼をなぐる
七八 迦留陀夷の死
七九 優波先那の美しき死
八〇 悪い牛乳と善き牛乳
八一 舎利弗
八二 舎利弗訴えらる
八三 蓮華色女、目 連を誘惑せんとす
八四 鴦崛摩羅、百人の人を殺さんとす
八五 大迦葉の修道
八六 受けとられぬ罵詈
八七 羅 羅、遂に悟る
八八 富楼那の決心
八九 その後の耶輸陀羅
九〇 阿難、侍者となる
九一 提婆達多
九二 提婆、仏陀を殺さんとす
九三 提婆、阿闍世太子に父王を弑する事をすすむ
九四 獄中の頻毘娑羅王
九五 提婆、仏陀を僧団から退けんとす
九六 提婆、仏陀の勢力を奪わんとす
九七 阿闍世王、仏陀に懺悔す 提婆の滅亡
九八 琉璃太子、王位を僭し釈迦族を恨む
九九 琉璃王、釈迦族を亡ぼす
一〇〇 仏教の隆盛を憎むもの、大目連を殺す
一〇一 舎利弗、涅槃に入るために仏陀に別をつげる
一〇二 舎利弗の死
一〇三 仏陀、戦争を未然にふせぎ、比丘に不退法を説く
一〇四 仏陀、涅槃の近きを知っていろいろ説法される
一〇五 越祗国から毘舎離国に入る
一〇六 菴婆婆利と離車族
一〇七 仏陀疾む
一〇八 淳陀と旃檀茸
一〇九 仏陀、涅槃の地へと苦しい旅をつづける
一一〇 力士達、仏陀に詣ず
一一一 最後の弟子
一一二 仏陀、阿難を慰む
一一三 仏陀、後のことを心配し給う
一一四 羅 羅来たる
一一五 最後の説法
一一六 仏陀、涅槃に入り給う
一一七 最後に
後書
解説(石井公成)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ショア

26
巻末解説より。武者小路実篤が初めて執筆した作品は釈迦を描いた「わしも知らない」だったそう。釈迦をできるだけ人間として描きたい、釈迦に親しめる本を書きたい。そのような想いから本作ができたよう。手塚治虫のブッダを読み返してみようと思う。2023/08/09

旗本多忙

20
今の時代は末法であり、釈迦の教えも守れず、実践もなされず濁世の仏教と言っても過言ではない。今の我々に必要な物は、ハッキリ言って金があって裕福な暮らしなんだよね。釈迦の真理に基づく考え方は確かに頷けるが、現実には真似出来ず不可能だよね。仏教については腐るほど言いたいことあるけど、釈迦伝を初めて読んだという人には、細かな理解は難しいと思う。実篤は平易に書いたとあるけど、それは小説の書き方であって、釈迦の言動や行動的な描写はもっと細かく書いてもいいなと僕は思った。総合的には良書でしょう。2018/09/02

双海(ふたみ)

20
武者さんの描く仏陀に心が震えた。自分のここ最近の行いを顧みて、深く恥じた。まごころが、足りない。そう思った。泣きたくなった。2017/05/28

ykshzk(虎猫図案房)

17
これは読みやすい。釈迦の誕生から涅槃に入るまでが淡々と描かれる。難解な表現はなく、時に面白い。家も妻子も捨て夥しい数の人たちを出家に導く姿。人間の永遠の宿命「老病死」への畏れの気持ちはもちろん、それ以外に、生まれついた自分の階級とどう向き合うかという、当時ならではの苦労も、多くの人を出家に向かわせる力になったのだろうと思う。様々な法が説かれているが、老女は母として、年の近い女性は妹として、若い女性は子どもとして、それぞれ見ることが女性への欲求をやり過ごす方法だ、なんて、人間味溢れる説法もあり興味深かった。2018/12/20

くくのみ

10
人としての釈迦伝。その姿は情けないが、やる時はやる強さがあった。 釈迦の行動は、弟子に対してはブラック上司のようであり、それに加えて匂わせ体質もあり、忖度までさせる。妻が出家しようとしたら逃げだすし、嫌な奴とは会わないように立ち回る。若いときは弟子に対して厳しく対し、老齢になったら丸くなった代わりに、よく説教をする。本当に普通の人として、ツッコミどころ満載の釈迦の姿だった。 教義についは、念仏も極楽浄土も方便で、その真の目的は老病死の避けられない苦しみから解き放たれるためのものだと思った。2020/03/07

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