内容説明
四十近くで容色おとろえないのは吉原七不思議、きりっとした美貌で殿方を振り返らせる――元花魁の七尾姉さんは、落籍されたのに吉原に舞い戻り、千歳楼という見世を営む変わり者。酒にめっぽう目がないが、人の情けもめっぽう深く、悩み事を解いてゆく。「気がふれた花魁の謎と真っ黒こげの骸(むくろ)があがった騒動」や「花魁が寵愛する猫の消失とカラスの出現」等々……酒を呑み呑み度胸一つ、難事を丸く収めてみせましょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
56
同作者の『滔滔と紅』と同様に吉原が舞台なのに色っぽい雰囲気は皆無。カバーイラストのように色っぽい姐さんで河岸見世の女郎なのに本業での客は来ない、が、相談事の解決で実入りは悪くない(はず)。骸が登場する4つの事件を解決する短編集。男の骸が登場する話は犯人が不憫すぎて解決しない方が良かったのではという気もした。語り口が独特だが途中で語り手は誰?と混乱しそうになったが最後にそれも明かしてくれる。屋根の上で仁王立ちになって湯文字を振り回す七尾姉さんの姿が印象的すぎる、酒は控え目にしなくちゃね。2021/04/11
あすか
24
吉原で起こる事件なのでなかなか悲惨なものが多いけれど、探索を進めていくのがカラッとした七尾姉さんなので暗くならずに楽しめる。美貌の元花魁なのに客が一向に来ないのも面白いやら世知辛いやら。続編があるならぜひ読みたい。2022/12/30
ひさか
11
2020年10月ハヤカワ時代ミステリ文庫刊。書き下ろし。元花魁の七尾姉さんと幽霊の禿:たまきの事件簿。面白そうな設定だと手に取りました。とにかく、くどい説明口調の語り口に閉口してしまい、こういうスタイルにした理由というか必然性にも、思いが全く及ばず、あまりの難しさに、あっけなく玉砕してしまいました。2020/12/01
千日紅
7
★3.5 内容(「BOOK」データベースより) 四十近くで容色おとろえないのは吉原七不思議、きりっとした美貌で殿方を振り返らせる―元花魁の七尾姉さんは、落籍されたのに吉原に舞い戻り、千歳楼という見世を営む変わり者。酒にめっぽう目がないが、人の情もめっぽう深く、悩み事を解いてゆく。「気がふれた花魁の謎と真っ黒こげの骸があがった騒動」や「花魁が寵愛する猫の消失とカラスの出現」等々…酒を呑み呑み度胸一つ、難事を丸く収めてみせましょう。2021/01/24
一柳すず子
4
語り口が変わってて話に入りにくいんだけどなんか癖になる。たまきちゃんとのやり取りがちょっとくどい。2023/07/23