ハヤカワ文庫NF<br> アレックスと私

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ハヤカワ文庫NF
アレックスと私

  • ISBN:9784150505646

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内容説明

人と動物は、音声を用いて会話できるのか? はるかな目標を掲げた研究者と一羽の天才ヨウムが過ごした、長くて短い30年の物語。解説/鈴木俊貴

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

319
まず驚嘆するのは、ヨウムのアレックスの認知能力のずば抜けた高さである。それは、私の(おそらくは、他の全ての人の)想像をもはるかに超えている。50におよぶモノの名前、7つの色、5つの形、8までの数を認識していたのだ。単にそれらを言えるだけではない。まさに認識していた。さらには簡単な(8つまでの)足し算もどうやら可能だったようだ。しかも、わざとウソを答えて著者をからかうようなことまで。本書はそんなアレックスの紹介なのだが、同時に著者アイリーンの研究者としての涙ぐましいまでの奮闘記でもある。アレックスは⇒2023/07/13

たま

65
津村記久子さんの『水車小屋のネネ』をきっかけに、参考書に挙げられているこの本を読んだ。ヨウムのアレックスを対象に70年代から動物の認知力研究を進めてきたアイリーン・ペパーバーグさんが自分たちの歩みを振り返る。研究書は別に出版されており、この本は学術書と言うよりは自伝でエピソードがふんだんで読みやすい。津村さんがアレックスの生態を巧みにネネに落とし込んでいるのが分かってとても面白かった。2017年幻冬舎単行本、早川から文庫も出ているので両方で登録します。 2023/09/08

マリリン

39
「バカ!」や「アホ」という言葉がイタイ。著者が意図的に持ってきた第一章「素晴らしき哉 我が人生」は最後に読みたかった。どちらも女性科学者に対する時代背景がそうさせたのかもしれない。偶然読み友さんのレビューを読み交わしたコメントが脳裏に浮かんだ。第二章「わたしの原点」からはペパーバーグ博士が「名なしさん」というインコと暮らし始め、アレックスというグレーのヨウムと暮らしヨウムの研究に傾倒した日々が自伝的に書かれていて興味深く読んだ。第八章「新境地」最後に博士がアレックスと交わした言葉は泣けた。読了は単行版。 2020/11/23

ぐうぐう

35
『水車小屋のネネ』を読んで、すっかりヨウムに魅せられてしまって、参考文献にも挙げられていた本書を読んでみることに。いやはや、ネネのキャラクターが小説をドラマチックにするためにデフォルメされた妄想の産物ではないことを、改めて知ることができた。ヨウムのアレックス、その知性に、ひたすら圧倒されっぱなしだ。50の物体の名前、7つの色、5つの形、そして8までの数字を理解していた(しかも、0の概念すらをも理解していたというのだから凄い)というアレックスの、(つづく)2023/11/09

ころりんぱ

30
ヨウムの研究の話。くるみ大の脳でも人間の3歳児と同じぐらいの理解力があるんだそう。アレックスに学習させるための訓練の方法が面白く、驚きもあり、楽しく読めた。研究費や所属にまつわる研究者の苦労も綴られていて、知らない世界だけに著者の根気強さと研究者魂に感心しました。2022/09/19

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