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内容説明
ドイツの首都・ベルリンでの僕の生活は、食事をし、街に出て、友人と声を交わし、家に帰って漫画を描く。とりたてて何てことのない毎日だった。そんなある日、ベルリンの街に点在するシールのパズルに出会ってから、少しだけ、僕のまわりで何かが動き始めた……。『ベルリンうわの空』に続く、僕の「生活と冒険の書」第2幕、スタート!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
78
ベルリンうわの空・第2巻。著者はベルリンの地下で、家がなくて困っている人のための無料のシャワー室とコインランドリーを仲間たちと始めた。そこには、あげますボックスも設置した。みんながいいなと思うものを、みんなとの共同で作ることの大事さを教えてくれる。社会参加とか社会保障に関して、日本の感覚とは違うベルリンの今が垣間見える。フィンランド首相サンナ・マリンさんの言っていることも重要だけど、両親が離婚して、父親がアルコール依存だった彼女が首相になれるような社会は、きっと国民の考え方が積み重なってできてるんだよね。2021/01/26
鱒子
72
前作が思想編だとしたら、本作は行動編。支援が必要な人のためにシャワー&洗濯スペースの無料提供を、仲間たちと共に始めます。——自分の主観しかない自分が、自分以外への理解を深めること。個々の時間を少しずつ誰かのために使うこと。各自が無理なく出来ることを持ち寄って補い合うこと。—— 何度も何度も読み返しました。コレすごくいい本だと思う。2020/12/03
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
63
私の好きな優しい漫画、シリーズ2巻目。帯で宇垣美里が推薦している。さすが宇垣美里である。1巻よりページ数が多いのが嬉しいベルリン生活漫画。著者が仲間たちと、空き地下街を使って、無料のシャワーとランドリー「清潔スペース」を開く。素晴らしいなあ。ホームレスの人も利用できるのだ。利用していたアトムさんに、次第に再就職の意思が芽生えるのだ。日本もこういう時代なのだから、「無理をせずに」困った人の杖になる無料の文化がもっと芽生えると良いのに。アナキズムでいうところの、相互扶助の精神がこの中にある。愛しい漫画です。2021/02/05
seacalf
59
抜群に面白かったコミックエッセイの第二弾。おおらかさと余裕を感じるベルリンの街のシステムと人々を独自視点で綴っている。宇宙人めいたキャラクター達も健在。他では見かけないへんてこキャラが妙に個性とマッチしてしっくり馴染んで見えるのが不思議。今回は意気投合した仲間達と公共の地下スペースで活動を行うのがメインなので、興奮度は前作の半分くらい。自由に試行錯誤しながら行動する姿は半ば羨ましく思いつつ、ゆる〜い枠組内で生活しているからこそできる事なんだろうな。ここまできたら完結編のランゲシュランゲも読まなくちゃ。2022/06/02
kochi
23
ベルリンの街なかのシールによるパズル(前作『ベルリンうわのそら』で一応解かれたはず)に導かれ、中止された地下施設建設現場にたどり着いた著者たちは、施設再利用の企画募集にチャレンジして、みんなで考えた「清潔スペース」の運営をスタート!このスペースにはシャワーと洗濯機が設置されていて、無料で誰でも利用できるのだが、ここの運用をゆるーく進める中で、ベルリンとそこで暮らす人々との生活やつながりなどを著者の視点から描く。やっぱり、人間も物や動物に表現され、そこがなかなか味がある。しかし、コロナはどうなんでしょうか?2020/11/27