内容説明
安倍内閣の8年間、なぜ「保守」と「ネトウヨ」は何もできなかったのか!?
「自民党は『保守』ではない」
「民主党政権が『ネトウヨ』を生んだ」
「天皇陛下に弓を引く『保守』言論人たち」
「『ネトウヨ』は世界中を敵に回すアブナイ人たち」etc.
左翼に負けっぱなしだった“戦後保守は劣化し、“ネット右翼を生んだ。
「パヨク」VS「ネトウヨ」とは、「反・安倍」と「反・反安倍」の諍いにすぎなかった。
“戦後保守と“ネトウヨの実態が明らかに……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
48
戦前の憲法学者である佐々木惣一は「国体とは皇室と国民の絆である」と述べたという。これこそが「保守」であり、いわゆる「君臣共治」という思想ですが、このことが理解できない人が保守業界にも多いようです。一貫した言動かどうかで判断するのではなく、そのときどきのコンプレックスから何らかの標的を作り、情緒的な攻撃をするのが「ネトウヨ」ということになると、そこからは何も生み出すことはできません。今や情報は自分で収集し、分析する「自力救済」の時代に入ったことを自覚して、行動していく必要があります。2020/11/07
姉勤
33
コンサバティブというより、日本国と国民が持続可能な選択肢を取れるかを以って、仮に保守、保守的と判断する。それ以外をエセ保守、ネトウヨと類型する。著者は、自分に近しいか、査読に耐えた文献を広く発表しているか、一貫性があるか、それらを学んでいるかにて肯定(かといって全肯定はぜず舌鋒を緩めないが)。情緒的、ヘイト、エコーチェンバー的なもの、ポジショントークに塗れるものを、否定する。同調するも否定するも、己は知識も文献も持ち合わせていないならば、付和雷同せず、知識を増やすだけだ。自分も集合知の一つとなれるよう。2024/12/23
出世八五郎
20
戦後から現代にかけての保守の出来事をつづったもので勉強になる。戦後は保守にとって暗黒時代だったのは知っていた。個人的には90年代に渡部昇一や小林よしのりの著作で保守に目覚めたが、保守に全くの発言権がないというのは知らなかった。自民党がリベラルに堕し大勲位でさえ保守でもない仮面を被った人物。そして現代・・・まだまだ仮面をかぶった保守言論人がおり、夜明けは遠いと感じたが、それは左翼も同じかも知れない。保守を自認するものには良書。2020/12/07
Y田
19
「保守」業界の内輪の話、という感じ。紹介されている方々は知らない人も多く完全理解したとは言い難いが、戦後からの右派の流れ、言論業界って右も左も内輪揉めみたいな事やり続けてるんだなっていうざっくりした事は理解した。◉思ったのは、人を敵か味方かのみで判断し、感情だけで「敵」の悪口を言って喜んでいる状態になってしまえば政治も言論もエンターテインメントでしかなくなるということ。政治の話だけじゃなくこれは気をつけないといけない。主義主張を考える参考になった。2020/10/19
軍縮地球市民shinshin
17
本書で著者は、保守・「保守」・ネトウヨという三つの言葉を使い分けている。ただし保守という言葉は戦前の憲法学者佐々木惣一の言葉を引用して「これがほんとうの保守だ」と説明している箇所からしか出ない。前世紀までは保守の地位はまったくなかったが、今世紀に入り、そしてネットが発達するにつれて従来の左翼の考えにおかしいという人たちが声を上げるようになってきた。人口が増えると内ゲバ(左翼用語だが)が始まるのはかつての左翼を彷彿とさせる。「ネトウヨ」は論理も何もなく情緒だけで発言しているというが、それは「パヨク」と呼ばれ2020/10/16