中古典のすすめ

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中古典のすすめ

  • 著者名:斎藤美奈子【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 紀伊國屋書店(2020/09発売)
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  • ISBN:9784314011525

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内容説明

「ベストセラー」以上「古典」未満
読書界の懐メロ=中古典を一刀両断!

一世を風靡した本には、古典に昇格するものもあれば、忘れ去られてしまうものもある──人気文芸評論家が、ひと昔前のベストセラー
48点の賞味期限を判定する。

【名作度】
★★★ すでに古典の領域
★★ 知る人ぞ知る古典の補欠
★ 名作の名に値せず

【使える度】
★★★ いまも十分読む価値あり
★★ 暇なら読んで損はない
★ 無理して読む必要なし

目次

はじめに 中古典のすすめ 

1960年代
住井すゑ『橋のない川』 水平社運動に向かった少年たちの物語 
丸山眞男『日本の思想』 憲法が破壊される時代への警告 
早船ちよ『キューポラのある街』 貧しい少女を描いた社会派YA文学 
山口瞳『江分利満氏の優雅な生活』 「しがないサラリーマン」の秘めたる思い 
遠藤周作『わたしが・棄てた・女』 最低な男を正当化する弁明の書 
田辺聖子『感傷旅行』 アラフォー女性の恋の顛末 
柴田翔『されど われらが日々――』 性と政治のはざまの青春群像 
山崎豊子『白い巨塔』 組織内の権力闘争を描くピカレスクロマン 
森村桂『天国にいちばん近い島』 六〇年代的旅行記の価値と限界 
梅棹忠夫『文明の生態史観』 左右の論客を刺激した居酒屋談義 
中根千枝『タテ社会の人間関係』 どこが名著かわからない 
山本茂実『あゝ野麦峠』 争議も描いたドラマチックな記録文学 
石川達三『青春の蹉跌』 法に溺れて破滅した青年 
北杜夫『どくとるマンボウ青春記』 旧制高校世代の自負と自嘲 
庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』 東大受験生の明るい屈折 1

1970年代
イザヤ・ベンダサン『日本人とユダヤ人』 みんなだまされた怪評論 
高野悦子『二十歳の原点』 死を選んだ女学生の「いちご白書」 
土居健郎『「甘え」の構造』 幼児的依存を体現した書 
山崎朋子『サンダカン八番娼館』 ルポライターとからゆきさん
有吉佐和子『恍惚の人』 高齢化社会の入口で 
井上ひさし『青葉繁れる』 男子高校生たちのあきれた青春 
小松左京『日本沈没』 天変地異の大盤振る舞い 
鎌田慧『自動車絶望工場』 大企業を敵に回した果敢なルポ 
灰谷健次郎『兎の眼』 お嬢さん先生の修行と遍歴 
片岡義男『スローなブギにしてくれ』 疾走するハードボイルド 
橋本治『桃尻娘』 青春小説を異化するカゲキな女子高生 
小池真理子『知的悪女のすすめ』 フェミニズム前夜のレジスタンス 
五木寛之『四季・奈津子』 翔んでる女の「自分探し」の物語 
堀江邦夫『原発ジプシー』 ローテク現場の過酷な労働 
エズラ・F・ヴォーゲル『ジャパン アズ ナンバーワン』 上り坂の時代の日本礼讃論 

1980年代
山口百惠『蒼い時』 伝説のアイドルの「闘い」の書 
森村誠一『悪魔の飽食』 旧日本軍の暗部を暴いたノンフィクション 
田中康夫『なんとなく、クリスタル』 無駄に優雅な大学生の生活と意見 
黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』 日本のピッピ、世界を席捲する  
鈴木健二『気くばりのすすめ』 まるで酔った上司のお説教 
林真理子『ルンルンを買っておうちに帰ろう』 均等法前夜のサクセスストーリー 
渡辺淳一『ひとひらの雪』 不倫にのめった中年男の夢と無恥 
浅田彰『構造と力』 ポストモダンって何だったの? 
ホイチョイ・プロダクション『見栄講座』 うわべで勝負の最強レジャーガイド  
伊藤比呂美『良いおっぱい 悪いおっぱい』 元祖子育てエッセイのまさかの展開 
安部譲二『塀の中の懲りない面々』 職場と見まがう刑務所内ツアー 
小林信彦『極東セレナーデ』 危険なアイドル製造プロジェクト 
村上春樹『ノルウェイの森』 過剰な「性愛と死」があなたを癒す 
吉本ばなな『キッチン』 「みなしご」になった少女の回復の物語 
盛田昭夫・石原慎太郎『「NO」と言える日本』 バブル期日本の過信と誤謬 

1990年代
司馬遼太郎『この国のかたち』 利用された自尊史観 
中野孝次『清貧の思想』 バブル崩壊期の典雅な寝言 
ロバート・ジェームズ・ウォラー『マディソン郡の橋』 夢のような時間とその代償 

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

113
古典未満の中途半端に古いベストセラーを「中古典」と称し、60~90年代の48作品について、その名作度と使える度を評す。さすが、ほとんど名は知っていたが、実際に読んだことがあるのは少なかった。若い頃は本読まなかったし、その後も話題の本には縁遠かったので仕方なしか。自分が読んだ中で印象に残っているは堀江邦夫『原発ジプシー』、森村誠一『悪魔の飽食』。両者共著者の評価も高い。概して社会派作品の評価高く、日本人論は低評価。中根千枝『タテ社会…』やベンダサン『日本人とユダヤ人』はボロクソ。切れ味鋭い美奈子節が冴える。2020/12/19

KAZOO

99
1960年代から90年代に出版された48点のベストセラーを独断と偏見で格付しています。斎藤さんのような方だからできるのでしょう。このような本があってもいいと思います。名作度とつかえる度の二つの観点から三段階に分けて評価しています。中根千枝やイザヤ・ベンダサン、土居健郎の著作などはけちょんけちょんです。丸山眞男や梅棹忠夫の著作はまあまあでした。まあ一つの観点として読めばいいのではないでしょうか?2022/09/05

trazom

92
60年代、70年代に話題になった作品を「中古典」と定義し、俎上に載せたユニークな一冊。誰もが読んだ作品ばかりで、斎藤さんらしい切れ味鋭い舌鋒に対し、頷いたり首を捻ったりする時間が何とも楽しい。斎藤さんは「タテ社会の人間関係」「日本人とユダヤ人」「甘えの構造」などの日本人論には極めて点が辛く、一方「橋のない川」「キューポラのある街」「自動車絶望工場」「原発ジプシー」などの社会派作品への評価が高い。私は「されどわれらが日々」「赤頭巾ちゃん気をつけて」「二十歳の原点」などが懐かしくて、暫し感傷に浸ったものだ…。2020/09/24

harass

88
戦後のベストセラーは現在でも読む価値があるのかと著者が48冊を評する。「橋のない川」から「マディソン郡の橋」まで。古典未満の本を著者は中古典と呼ぶ。やはり当時の時代が色濃く反映されるのは致し方なく、特に学生運動などは今からでは理解が難しい。また、ポリティカリー・コレクトの視点や女性蔑視が目立つものも多いと著者。「天国にいちばん近い島」が本屋に並ばない理由は「土人」連発だからとは気がつかなかった。まあ、主観が強いところもあるが、いつもの著者。読み物としておすすめ。2022/02/10

とよぽん

59
1960年代から1990年代初めまでの48作品を論じた、14年間にわたる連載をまとめた1冊。歴史的評価の定まっていない本だが、それを今も読む価値があるかどうか斎藤さんが痛快に判定している。読んでみたい作品が16冊もあり、来年の楽しみになった。既読の本についても、斎藤さんの分析が面白い。しばしば出てくる美奈子節?のツッコミに笑わせてもらった。2020/12/23

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