メタ倫理学の最前線

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メタ倫理学の最前線

  • 著者名:蝶名林亮
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  • 勁草書房(2020/10発売)
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  • ISBN:9784326102754

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内容説明

錯綜しているメタ倫理学の状況を整理し、見取り図を作る。哲学史にはじまり、現代メタ倫理学におけるトレンドであった「理由」の概念や道徳的実在論に関する論争、メタ倫理学上の反実在論・非実在論までを解説。さらには言語哲学や実験哲学といった哲学の他分野とメタ倫理学の関係も描きなおす。メタ倫理学の理解をさらに深める一冊。

目次

はじめに[蝶名林亮]

第I部 哲学史におけるメタ倫理学説

第1章 アリストテレスともう一つのメタ倫理学[立花幸司]
 1 はじめに
 2 アリストテレスの倫理学説
 3 アリストテレスの履歴書
 4 経験的知見の重視
 5 実効性の重視
 6 おわりに

第2章 ヒューム道徳哲学の二つの顔[萬屋博喜]
 1 はじめに
 2 メタ倫理学における初期のヒューム受容──非認知主義と主観主義
 3 非認知主義解釈の変遷と展開
 4 主観主義解釈の変遷と展開
 5 おわりに

第3章 カントの倫理学とカント主義のメタ倫理学[永守伸年]
 1 はじめに
 2 カントの倫理学
 3 カント主義のメタ倫理学
 4 カント主義の可能性
 5 おわりに

第II部 現代メタ倫理学における一つのトレンド──「理由」の概念への注目

第4章 行為の理由についての論争[杉本俊介]
 1 はじめに
 2 〈行為の理由〉概念に注目する意義
 3 規範理由とは何か
 4 動機づけ理由をめぐる論争
 5 おわりに

第III部 道徳的実在論に関する論争

第5章 自然主義と非自然主義の論争について──自然主義と道徳の規範性からの反論を中心に[蝶名林亮]
 1 論争の背景
 2 論争の整理
 3 道徳の規範性に関する問い
 4 シュローダーの仮言主義
 5 おわりに

第6章 道徳的説明についての論争[秋葉剛史]
 1 はじめに
 2 論争の見取り図
 3 道徳的事実に因果的説明役割はあるのか
 4 道徳的事実の因果的説明役割とその実在性
 5 おわりに

第7章 進化論的暴露論証とはどのような論証なのか[笠木雅史]
 1 本章の目的
 2 知識と正当化の諸条件
 3 暴露論証の諸形態とその応答
 4 まとめ

第IV部 メタ倫理学上の反実在論・非実在論について

第8章 非認知主義についての論争[佐藤岳詩]
 1 はじめに
 2 非認知主義を巡る論争の経緯
 3 非認知主義を巡る論争の争点
 4 非認知主義と認知主義
 5 各立場の説得力
 6 おわりに

第9章 道徳的非実在論[安藤馨]
 1 道徳的非実在論の分類
 2 なぜ道徳の実在性を疑うのか
 3 錯誤説
 4 虚構主義
 5 相対主義的な主観主義
 6 おわりに

第V部 哲学諸分野からのアプローチ──言語哲学・実験哲学とメタ倫理学

第10章 義務様相表現の意味論[和泉悠]
 1 はじめに
 2 様相論理学における義務様相
 3 クラツァーの理論
 4 さらなる争点
 5 おわりに

第11章 我々は客観主義者なのか?──メタ倫理学への実験哲学的アプローチ[太田紘史]
 1 はじめに
 2 客観主義と客観主義的コミットメント
 3 我々は客観主義者なのか──出発点となる実験哲学的知見
 4 相対主義的な素朴メタ倫理学の可能性
 5 道徳的不一致にまつわるメタ倫理学と素朴メタ倫理学
 6 我々は一貫したコミットメントを有しているのか
 7 おわりに

補論──その他の研究動向

おわりに
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

すずき

3
読書会で通読。全体として質の高い論文集。この論文集のテーマで期待されてる内容ではないな…と思うものもいくつかあるが(特に1章)、概ねメタ倫理学の最近の議論をカバーする構成になっていて良いと思う(特に4〜9章)。自説の積極的な擁護よりもサーベイが期待されていてその趣旨で書かれたものが多いので、いくつかより丁寧に引用を行ってほしい文献もあった(特に7章は認識論関連のフレームワークについて参照先が欲しいのと、各文献ページ数まで細かく引いてほしいものが多い)。完璧でないにせよ貴重な一冊であるには間違いない。2020/12/02

田蛙澄

1
英米系の哲学書を読んでいるとメタ倫理的な区分がよく出てくるので、そのあたりを勉強しようと読んだ。行為の理由の内在/外在主義が動機づけの内在/外在主義とごっちゃになってなかなか理解ができなかった。様相論理における義務論理を補完する形で出てきたクラツァーやその発展的な理論の話が興味深かった。あとは非実在論との絡みで文脈主義がかなり魅力的に思えたし、実験哲学においても、人々は一貫して客観主義というよりその状況や場面で相対主義にもコミットして変動的なメタ倫理観を持っているというのは驚きだった。2022/11/29

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