内容説明
なぜ人は「見た目」を意識するのか──これがこの本の問いである。スキンケアやメイクといった美容活動は美容という資本への投資であり、見た目とはその結果である──これがこの本の結論となる。したがって、もしあなたが合理的な人ならば、美容に投資するはずである──これが、この本から読者へのメッセージとなる。
目次
シリーズ序文[小林盾・村上あかね・筒井淳也]
まえがき
序章 美容資本の理論と方法
第1部 美容の統計分析
第1章 美しさに偏りはあるのか──美容資本の測定
第2章 どのように美しさに投資するのか──美容資本への投資
第3章 投資できれいになるのか──美容資本の蓄積
第4章 ハンサム、美人はモテるのか──家族形成への効果
第5章 ハンサム、美人は金持ちになるのか──地位への効果
第6章 ハンサム、美人は幸せなのか──ウェルビーイングへの効果
第2部 美容のインタビュー分析
第7章 美容整形はビジネスですから──キャバクラ嬢へのインタビュー
第8章 人は見た目が100パーセント、内面も100パーセント──美容師へのインタビュー
第9章 素肌美人を目指そう──皮膚科医へのインタビュー
終章 美しさの本質と可能性
コラム1 容姿レベルの自己評価は、他者からの評価と一致するのか
コラム2 人は見た目が何パーセントか
コラム3 これまでの美容活動、情報源、美容活動の結果
コラム4 インドネシアで容姿レベルはどう決まるのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ERIN
5
自身が社会学専攻なこともあり、世の中の当たり前に対して定量的に迫る姿勢が面白いポイントだった。取り扱う題材もさることながら、美容の因果関係について動機も含めて明らかにしていくプロセスがわかりやすく、すいすい読むことができた。美容への継続的・習慣的な投資の結果が美容資本となり、蓄積と回収の双方向に向かう。2022/07/17
わす
0
大学院卒の容姿レベルが最も高いとは。院生時代は地味メガネでも、卒業後の美容投資額が高いから磨かれるってことか。男女で美容投資の効果がさほど変わらないのも意外に感じた。2023/12/24
みくじら
0
見た目のよい人が年収が高かったり、幸福度が高いというのはなんとなくわかっていても、それを定量的に調査したものはあまり見ない。 調査対象、方法は微妙な部分があるものの、ある程度は実証されてた。2022/06/11
なななん
0
経験的にわかりきってることに対して、その根拠をしっかり述べた本です。見た目がいいと得だよって。人の見た目を資本として捉える。ただ、そうなるとルッキズムにどう対抗できるのだろうか?2021/03/02
n_aizawa
0
☆☆☆:カチカチ進む前半も面白いが、インタビュー分析も味わい深い。「美容は投資である」ってすごくポジティブなメッセージだ。2020/09/15