出版社内容情報
北朝鮮 韓半島 韓国 核保有 金大中 米朝枠組合意 太陽政策 米朝国交正常化 南北合意 小泉訪朝 平壌宣言 金正日 金正恩 六者協議 オバマ トランプ 日韓基本条約 徴用工問題 韓流 板門店 朝鮮戦争 日韓関係 悩む力
内容説明
朝鮮戦争勃発から七〇年が経過した。朝鮮半島では様々な場面で南北の分断体制に限界が露呈するとともに、二〇一八年には歴史的な米朝首脳会談が実現するなど、統一への動きが着実に進みつつある。しかし日本では嫌韓感情を煽ったり、脅威論を並べたりする偏った報道が目立ち、事態の本質はなかなか見えてこない。コロナウイルスのパンデミックが宣言され、混迷を深めるかに見える世界情勢。しかし、著者はこの未曾有のピンチにこそ、むしろ冷静にポジティブな未来像を描こうとする。「第一次核危機」以降の北東アジア四半世紀の歴史を丹念に総括しながら、一脈の光明を見据えて朝鮮半島と日本の進むべき道を探った、渾身の論考!
目次
序章 危機には変化が必要だ
第1章 なぜ北朝鮮は崩壊しなかったのか
第2章 南北融和と「逆コース」の三〇年
第3章 「戦後最悪の日韓関係」への道筋
第4章 コリアン・エンドゲームの始まり
終章 朝鮮半島と日本の未来
著者等紹介
姜尚中[カンサンジュン]
1950年生まれ。政治学者。東京大学名誉教授。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kawa
25
朝鮮戦争勃発から70年。その間の統一・非核化等の動きを学者らしく丁寧に振り返りる。その上で、半島に新たな平和と秩序を形成する「コリアン・エンドゲーム」が始まったことを指摘し、その解決には、一挙的解決ではなく、相互主義、互恵主義に基づき漸進的な道を求めるべきと説く。問題が問題だけに仕方ないのだが、一般的・抽象的提言が目立つところが、やや肩すかし。2020/06/06
Shin
12
課題で読みました。朝鮮半島が韓国と北朝鮮に分断に至ってしまった背景や今後の展開などが解説されており、朝鮮半島の情勢の理解を深められたように思います。嫌韓を助長したり、一方的な価値観を押し付けたりするような内容ではなく、客観的に各国の立場が記述されているように感じたので、その点にも価値があると思いました。2021/01/22
大先生
11
朝鮮半島の現代史を振り返りつつ、金大中元大統領の「太陽政策」(=北朝鮮に対する宥和政策)を再評価しようという本です。大人な対応だとは思いますが、果たして北朝鮮に通用しますかね?制裁解除されたからといって、核やミサイル開発止めますかね?むしろ、開発を加速するおそれはないんでしょうか?平和的解決をしなければならないのは当然であり、武力行使による解決など危険すぎることに異論はありませんが、現段階で、北朝鮮を信用することは難しいと感じます。とはいえ、韓国や北朝鮮からの視点など勉強になる内容でした。2021/11/16
HH2020
11
◎ 韓国とか朝鮮という言葉にわけもなく顔をしかめるひとが私の周りにも大勢いる。なんでそんなに嫌うのだろうといつも不思議に思う。話題に挙げることさえ憚られるような状態はどう考えてもよくない。互いに仲良くなるすべはないものか。姜尚中は良識のあるひとだ。本書は朝鮮半島が今に至る歴史と、日本、中国、アメリカを含めた現状を丁寧にかつ中立にひも解き、進むべき道を期待を込めて説く。かつて朝鮮半島は日本にとって恵みをもたらす「乳房」だったそうだが、今や「匕首」と揶揄されるそうだ。再び「乳房」となる日が来ることを願う。2021/02/05
templecity
10
文在寅までは日本語を理解する大統領であったが、ある意味反日でもない知日でもない大統領。反日をナショナリズム高揚に使いたい意図がある。2000年前後に日韓の友好ムードは高まったが、その後の北朝鮮の拉致問題などにより冷え切った。追い打ちをかけるように従軍慰安婦、徴用工問題などが起こった。北朝鮮は地下資源なども豊富でトランプ政権としてはビジネス面からの活用も考えていたようだが、金正日のリビアのガタフィーと同じようになるのではないかとの警戒感があって非核化も進まない。(続きあり)2021/08/01