内容説明
内戦がいったん終結した紛争後社会では、政治的競争を非暴力化するために選挙が実施されることが多い。しかし、その後も政治的暴力はしばしば繰り返されてきた。暴力を統制する国家能力も射程に入れつつ、政治暴力の因果メカニズムを計量分析、ゲーム理論、東ティモールの事例分析で明らかにして、平和の条件を導き出す。
目次
第1章 民主化は暴力を生む?
1 本書で問うこと
2 本書の構成
第2章 先行研究と本書の分析枠組み
1 先行研究の概観
2 本書の分析枠組みと概念の定義
3 本書における東ティモール事例の位置づけ
第3章 紛争後社会における小規模な政治暴力の発生―政治体制と政治制度が及ぼす影響
1 はじめに
2 理論と仮説
3 データと仮説検証の方法
4 分析と結果
5 小括
補遺
第4章 紛争後社会における政治勢力の組織的転換
1 はじめに
2 民主化と国家建設の試みと暴力
3 モデル構築と分析
4 東ティモールの事例分析
5 小括
補遺
第5章 紛争後社会における指導者による暴力
1 はじめに
2 紛争後社会における法の支配と指導者による暴力
3 選挙制度の導入が指導者に及ぼす影響
4 因果メカニズムの提示
5 東ティモールにおける2006年騒擾
6 小括
補遺
第6章 民主化,国家建設,そして暴力
1 本書が明らかにしたこと
2 本書から得られる含意とは
あとがき
参考文献
事項索引
人名索引