アートリップ入門 - 認知症のうつ・イライラを改善する対話型アート鑑賞プ

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¥2,200
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アートリップ入門 - 認知症のうつ・イライラを改善する対話型アート鑑賞プ

  • 著者名:林容子
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 誠文堂新光社(2020/09発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784416520604

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内容説明

アートリップとは、認知症の方とそのご家族、 介護士が一緒にアートを見つめて、 気付いたこと、感じたことを自由に話し合うプログラムです。

一つの質問が発見を生み、認知症の方が自ら話し始める。
そして、本人もご家族も想像しなかった会話に発展することもしばしば。
活き活きとした姿に、「昔のお母さんの顔になった」と涙を流すご家族も多くいます。

現在、アートが人々の健康や治療に与える好影響が、世界中の医療・介護の現場で注目されています。
各研究では、アート鑑賞が認知症の人の記憶、感性を呼び起こし、QOL(Quality of Life)向上にも効果があると証明されてきています。

[科学的根拠]
本書の著者・林容子氏も参加した国立長寿医療センターの調査では、アートリップを体験した方の多くが、うつ症状が軽減、QOLが向上されたという結果が出ています。さらに、世界10か国が参加している国際研究でも、「参加型アート」がウェルビーイング(幸福度)、QOL(生活の質)、さらに身体的健康も向上させることが証明されました。

本書は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)ではじまり、世界に広がりを見せている「対話型アート鑑賞プログラム」とはどのようなものなのか、また、日本のアートリップではどのような効果が出ているのかを紹介します。
高齢化が進む日本で、医療・介護現場においてアートが果たす役割に光を当てます。

目次

序章 ある日のアートリップ

第1章 アートリップの7つの特徴
1 参加者が心から安心して、リラックスできる時間と空間
2 参加者の発するすべての言葉をそのまま受け止めるということ
3 その人の能力を最大限に生かしたプログラムであること
4 脳のあらゆる部位を刺激する活動であること
5 美術館というハレの場、美術という特別なもの
6 絵の前ではすべての人が平等である
7 誰でも成長していけるプログラムであること

第2章 アートリップが起こした変化
・自由な感じ方を共有できる場所は居心地がいい(夫・町田克信さん)
・こういう感性があるのかと発見できることも家族としてうれしく思う瞬間です(妻・町田直子さん)
・夫は認知症になってより人間味あふれる人になりました(夫・杉本欣哉さん 妻・杉本智穂さん)
・一枚の絵が若い頃のお父さんを連れてきてくれた(父・白井治さん 娘・飛座治美さん)
・アートリップのみなさまへ~草野直子さんのお手紙より~(娘・草野直子さん 父・下村幸雄さん 母・下村悦子さん)
・笑顔にしてくれてありがとう(グループホーム たんぽぽの郷 施設長 豊住美枝さん)
・患者様のいい時間を一緒につくりたい(よみうりランド慶友病院リハビリテーション室 室長 佐藤雄也さん)

第3章 アートは認知症に効果があるのか
・認知症の方のQOL向上には医者よりアーティストが必要(ケース・ウエスタン・リザーブ大学 神経学教授 ピーター・ホワイトハウス)
・認知症の危険因子「うつ」の改善に効果あり! アートと認知症予防について(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター センター長 島田裕之)

第4章 アートリップのはじまり
・対話型アート鑑賞プログラムとの出合い
・日本で初めてのアートプログラム
・日本でプログラムを実施する壁
・アートの旅の案内人「アートコンダクター」

第5章 アートは脳のチョコレート  アートと認知症の世界最新事情と今後の展望
・世界各国の美術館での事情
・すべての人がアートにアクセスできるように
・認知症とアートの関係:世界の視点から
・処方としてのアート(Arts on Prescription)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒロセ

11
対話型美術鑑賞は認知症の進行を抑えるという。絵を見ることで昔の記憶がよみがえったり、コンダクターの質問に答え、参加者と笑いのある楽しいひとときを過ごすことで、脳だけではなく、全身が活性化されるからだそう。ますます高齢化社会が進み、認知症患者が増える中、対話型鑑賞を通じて、大切な人と新たな形でコミュニケーションが取れるようになったという事例の数々には希望を感じる。(思わず涙が出そうになるエピソードも😭)2023/08/11

貧家ピー

7
ニューヨーク近代美術館(MoMA)で始まった「対話型アート鑑賞プログラム」。認知症当事者と家族、 介護士が美術館で一緒に絵画作品を見ながら、 気付いたこと・感じたことを自由に話し合うプログラム。コロナ禍以降はオンラインでも実施されている。認知症には医者よりアートが必要、アートの可能性を感じる。2022/08/17

Yuko

5
<認知症には医者よりアートが必要! うつ、イライラといった認知症周辺症状を改善・予防する対話型アート鑑賞プログラム「アートリップ」を徹底解説。> アートは人をハッピーにする。 イギリスやドイツでは「美術館にいってアートに触れること」など芸術プログラムへの参加が、医者の出す処方箋の一つになっているという。 ロシアでは、どんな小さな病院にでも絵を描いたり作品を制作できる場所が確保されているという。 日本でも、美術館やギャラリーのみならず、様々な場所で誰にでもアートと繋がれる機会が増えていきますように・・・ 2021/09/21

サトゥルヌスを喰らう吾輩

4
すばらしい実践。「アートリップ」とは、認知症の方がグループでアートを見て、感じたことを自由に発言・共有する「対話型アートプログラム」であるとのこと。絵をみた方々の語りのなかにあらわれる故郷の海や雪の日の寒さ、不思議な音楽といったものはそれ自体が詩のようでなんと美しいことかと思いました。全ての人に芸術にアクセスする権利がある、芸術は健康と幸福にとって不可欠なものである。まさにその通りだと思います。コロナや文化の先進性の問題もあるけれど、この考え方が拡まれば何か変わってくるかもという希望のもてる一冊でした。2020/09/29

うさっぴ

2
アートリップとは、認知症の方とそのご家族、 介護士が一緒にアートを見つめて、 気付いたこと、感じたことを自由に話し合うプログラム。最近、認知症関連の本を色々と読みはじめた。面白い取り組みだと思った。2023/04/14

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