内容説明
フットライトを浴びる清純スター・葵輝代子は、母親の愛人とも知らずに、ひとりの男を愛するようになる……。母への激しい憎悪は、整形美容に駆りたて、清楚な美貌は、妖艶な女に変容してゆく。――男の事故死で、ふたりの女の愛憎のドラマに幕が下りる。女の生の烈しさを精緻に描き切った有吉文学の傑作長編。<上下巻>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミントン
1
有吉佐和子を読んでるときは夢中になれるので幸せ。娘の思慮の浅さにぞっとしました。2017/02/02
ハヤシマ
1
有吉さんは小説の語りの名人だ。落語でも、同じ噺が名人と凡手で面白さが違うのと同様、なぜかどんな話でも面白い。生き別れになった母娘が、職業上の好敵手として突如登場し、さらには1人の男を巡って争うおなじみのパターン。母娘の愛情と憎悪と嫉妬がお互いの視点から交わされ、周囲の人間の策略や陰謀によって誤解を生んですれ違う。よく出来た連続ドラマのハラハラ感、緊張感に匹敵。何が次に起きるかわからない楽しさ。残念なのは掲載誌の都合なのか、突然話が収束してしまったこと。母娘が老女になるまで読んでいたかったのに。2013/05/17