内容説明
フットライトを浴びる清純スター・葵輝代子は、母親の愛人とも知らずに、ひとりの男を愛するようになる……。母への激しい憎悪は、整形美容に駆りたて、清楚な美貌は、妖艶な女に変容してゆく。――男の事故死で、ふたりの女の愛憎のドラマに幕が下りる。女の生の烈しさを精緻に描き切った有吉文学の傑作長編。<上下巻>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
カノープス
3
上下巻全51章、トータル600頁以上の物語を全くテンションを落とさず描ききる天才の所業。恐るべき才能と言わざるを得ないだろう。職業的・世代的対比を通じて母子の愛憎を丁寧に描き、そこに売り出し中の若手俳優との恋を絡ませる事で読みどころが途切れない世界を構築した。芸能界ものとして少女趣味に過ぎるとか過剰なメロドラマに辟易する向きもあろう。しかし、有吉の描くものは面白すぎるのだ。女優という職業の業を、これだけ鮮烈に抉り出す作家を他に思い浮かべられない。脱帽である。2026/03/18
ミントン
1
有吉佐和子を読んでるときは夢中になれるので幸せ。娘の思慮の浅さにぞっとしました。2017/02/02
ハヤシマ
1
有吉さんは小説の語りの名人だ。落語でも、同じ噺が名人と凡手で面白さが違うのと同様、なぜかどんな話でも面白い。生き別れになった母娘が、職業上の好敵手として突如登場し、さらには1人の男を巡って争うおなじみのパターン。母娘の愛情と憎悪と嫉妬がお互いの視点から交わされ、周囲の人間の策略や陰謀によって誤解を生んですれ違う。よく出来た連続ドラマのハラハラ感、緊張感に匹敵。何が次に起きるかわからない楽しさ。残念なのは掲載誌の都合なのか、突然話が収束してしまったこと。母娘が老女になるまで読んでいたかったのに。2013/05/17
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