内容説明
精神療法とフォーカシングで著名な二人の専門家が、自身の臨床をめぐって対談。技法や知識の習得ばかりを重視する心理臨床の世界に疑問を投げかけ、「一人の人間」として患者に向き合うことの重要性を縦横無尽に語り合う。
「『真っすぐに治る』ということはあり得ない」など、長い臨床経験と専門性に裏打ちされた言葉の数々は、心理職に携わっている者、これから心理職を志す者に深い示唆を与えてくれる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qualia
2
ぼくの身体の深いところに落ちていき、染み渡り、余韻を残す、言葉たち。2020/09/04
わくい
1
適度に難解だけど、理解できないことはないぐらいのちょうどいい具合のお話でした。技法によらない、お二人のご自身の人間性をぶつける臨床に憧れと羨望でいっぱいになりました。2024/04/28
読書を習慣化したい人
0
内容的には「治療的面接の探求」や「心の整理学」のダイジェストと言った感じ。フォーカシングの世界的有名人である池見先生との対談形式になっていて読みやすい。増井先生の臨床観や治療技法についてコンパクトにまとめられている。この界隈の先生(神田橋條治とか)にどっぷり浸かった今だと、違和感なく読めるが、「人のまっとうな願い」「場面構造での冷却(あえて深めない)」「生身の私でいることの重要性」など、院生の時に読んだら衝撃的な内容。まだピュアな院生さんにも是非読んでもらいたい。2022/11/12