大江健三郎全小説全解説

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大江健三郎全小説全解説

  • 著者名:尾崎真理子【著】
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  • 特価 ¥2,556(本体¥2,324)
  • 講談社(2020/09発売)
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  • ISBN:9784065195062

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内容説明

新聞記者として長年大江健三郎を取材してきた著者による、わかりやすい大江健三郎入門書。『大江健三郎全小説』(全15巻)を通して書かれた解説を一冊にまとめる。大江健三郎全小説のあらすじから説き起こしつつ、個々の作品発表当時の文芸批評家による主要評論に言及、その作品がどのように受容されてきたかを論じる。またときに作家へのインタビューを引用しながら作品の意義を明らかにする。大江文学がどのように生まれ、どのように読まれ、さらにこれからどのような研究課題がありえるのかを総合的・俯瞰的に論じた大江評論の決定版。

目次
はじめに
よろしい、僕は地獄に行こう!
惨憺たる青年たち
封印は解かれ、ここから新たに始まる
復元された父の肖像
神話としての「個人的な体験」
知と懐かしさの容れ物として
ノーベル賞はいかにしてもたらされたか
果てしなく多義的な偽史をめざす
アメリカの影が差す女性たち
予戒としての近未来SF
青年の夢想と酷たらしさ
世紀末に集中した「魂のこと」
再びの「カラマーゾフ万歳!」
永遠のモラリスト、伊丹十三
「晩年のスタイル」こそ苛烈に
大江健三郎年譜
『大江健三郎全小説』収録作リスト
文献一覧
索引

目次

はじめに
よろしい、僕は地獄に行こう!
惨憺たる青年たち
封印は解かれ、ここから新たに始まる
復元された父の肖像
神話としての「個人的な体験」
知と懐かしさの容れ物として
ノーベル賞はいかにしてもたらされたか
果てしなく多義的な偽史をめざす
アメリカの影が差す女性たち
予戒としての近未来SF
青年の夢想と酷たらしさ
世紀末に集中した「魂のこと」
再びの「カラマーゾフ万歳!」
永遠のモラリスト、伊丹十三
「晩年のスタイル」こそ苛烈に
大江健三郎年譜
『大江健三郎全小説』収録作リスト
文献一覧
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こーた

201
大江文学最高の入門書にして、巨大なる大江山脈で遭難しないための最適な攻略本でもある。大江健三郎は何を書いてきたのか。またその小説を読むとき僕らは何を読んでいるのか。小説とは何か。森の神話と個人的な体験が混ざりあって織りなす虚構の小説世界は現実と結びついて区別がつかない。いや、そもそも区別すること自体が無意味だ。生き延びるために書き続けた、書かざるをえなかった、また書くことで生きざるをえなかった人間のすべてがつまっている。序章と終章でひかれる引用が印象的だ。ひとつは師、渡辺一夫訳によるセナンクゥールの言葉⇒2020/10/23

Vakira

49
♪谷の村のオシコメ~♪ 髪を軽くなびかせ~♪なんて「風の谷のナウシカ」調で歌ってしまう。 村の伝説、幼少の頃にいなくなった父、(戦争に)遅れた自分、脳障害を持った息子。その環境をおとぎ話として書き残すことが大江健三郎さんの存在の証明。物語は文章にしないと残らない。文章を読むことで作者のその感性、思想、ストーリー展開の面白さが判る。大江さんはそれを表現の物質化と呼んでいる。大江さんの特に興味があるテーマは性と暴力の様だ。性描写は不愉快なほど生臭いし、登場人物のキャラは今風に言えば強烈にクセが強い。 2020/12/10

amanon

6
大江という作家が日本戦後文学史に齎したものがどれだけ大きかったか、ということを改めて痛感。それなりに大江の作品を読んできたつもりだが、未読のものが少なからずあること、また既読のものも読み込みが浅かったり、記憶が曖昧なものが多いことを再認識。そもそも大江という長い執筆生活を誇る作家の全小説を一冊の本でまとめて論じるというのに無理があるのかも…という気にもさせられる。また、もともと初出が作品集の解説ということもあってか、かなり大江寄りの記述になっているのが気になる。もう少し辛口の記述があってもよかったのでは…2022/08/04

押さない

3
8/10 大江健三郎ファン必読の書。初期と後期、短編と長編でこれほどガラリと変わった作者は大江以上の人はなかなか見ない。最後の年譜を加えれば作品だけでなくインタビュー対話を含めた年代が一望できる。著者の研究の集大成だ。『同時代ゲーム』への筒井康隆の「失敗作であることさえ度外視すれば傑作」は名批評だなあ。 イーヨー、ヒカリ、ギー兄さん、森、原発、政治、取り替え子チェンジリング、神話的伝承、語り方narrative、女性、講演2024/09/08

トマス

3
全15巻の『大江健三郎全小説』の解説集。未読作品の解説も含めて読んだが、ズレを含みながら書き直され続ける大江ワールドは、解説を通して魅力を失うどころかむしろ惹きつけられる。作品同士のつながりを捉えるために最適の解説。2021/12/28

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