創元推理文庫<br> 苦悩する男 上

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創元推理文庫
苦悩する男 上

  • ISBN:9784488209216

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内容説明

イースタ署刑事クルト・ヴァランダー59歳、数年前に町なかのアパートを出て、田舎の家に住み始めた。娘のリンダも、同じ刑事の道を歩んでいる。そのリンダに子どもが生まれた。リンダのパートナー、ハンスは投資家。父親のホーカンは退役した海軍司令官、母親のルイースは元語学教師で、気持ちのよい人たちだ。だが自らの誕生パーティーの三ヵ月後、ホーカンが失踪してしまう。ルイースもハンスも原因に心当たりはないと言うが、ヴァランダーはパーティーでのホーカンの様子にひっかかるものを感じていた。北欧ミステリの金字塔シリーズ完結。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のぶ

91
まだ上巻を読む限りだが、クルト・ヴァランダーのシリーズはこれが最後だと思うと、特別の感慨が湧いてくる。クルト・ヴァランダーもすでに59歳。糖尿病を抱え仕事を遂行している。物語はヴァランダーの娘、リンダに子供が誕生するところから始まる。リンダのパートナー、ハンスの父親のホーカンが誕生パーティの三ヶ月後に姿を消してしまう。失踪にはホーカンの妻が関わっている事が明らかになってくる。その先、マンケルの作品は本国を飛び出し、大きなスケールになってくる。この先、下巻でどんな話が待っているのか?感想はその後で。2020/09/27

ふう

86
上下巻700㌻の長い作品を読み終えて、どう感想を書けばよいのか考え込んでしまいます。作者ヘニング・マンケルも主人公ヴァランダーもいなくなってしまいました。これまでの作品でも心身の不安定さがたびたび描かれてきましたが、今回は脳の不安も加わって、事件よりこちらの方が怖いくらいでした。 続きの感想は下巻で→2020/10/12

キムチ27

79
北欧の帝王のラストとあって読むせいか、終始 背後にモノ哀しさが付きまとう。しかもアルツハイマーの進行が伺える様な展開・・事件が展開するにつれ 記憶の扉が徐々に閉じて行く感覚は痛く辛い。冒頭でのやり取りー首相が激怒し 遡る20年前。虚実ないまぜとなった「とある出来事」~潜水艦座礁が絡んでいる?事とリンダの義父母夫妻の失踪自殺がどう結びつくのか・・下巻に行くしかないな。舞台の2007年のマンケルの精神状態とヴァランダーのそれがシンクロしている感覚になるのは何故❔マンケルが乗り移っているかのようにも感じられた2020/09/27

azukinako

71
読まずに大事にとっておこうかとも思ったが、はやる心を抑えきれず手を出した。ヴァランダー60歳、還暦。孫も産まれた。読み始め早々にヴァランダーが失敗する。このエピソードに打ちのめされた。最後で私はこのアクシデントを受け入れなきゃいけないのか、たぶんそうなるであろうことを思うと落ち込んだ。事件はリンダのパートナーの父親の失踪。マンケルの物語はスウェーデンを超えて世界スケールになるのはいつも通り。冷戦時代というのは北欧ではよく上げられるのか。インドリダソンの「湖の男」を連想した。2020/09/15

巨峰

70
マンケルの作品は、人生を感じさせる。自分もその年齢に近づいているからだろうか。中年後期から、初老の男性が読むべき作品かもしれない。刺さってくる!2021/04/14

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