内容説明
「料理で人を救いたい」
幼い頃に両親とはぐれ、吉原で育てられた佐保は、人に足りない栄養を見抜く才能を生かし医学館で勉学を続けていた。
ある日、芝居に誘われた佐保はそこで幼馴染みの颯太を見かけた。
颯太は芍薬の花のような美貌を持つ人気役者・夢之丞と昵懇の仲だが、その夢之丞が気鬱でふさいでいるという。
佐保は夢之丞を料理で癒やす大役を任される。
佐保が選んだ意外な食材とは?
大好評グルメ時代小説第2弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
89
火事でみなし子になり遊郭吉原で育てられた佐保。病気の人に不足している栄養素を見抜く才能で医学館に引き取られ勉強中。現代でも通じるような医食同源の要素。登場人物たちの体の不調をそれぞれ生活の環境、食事容態に併せて綴っているので他の料理小説とは異なり面白い。いつもは厳しい奥様の稀代が意外な面を見せるのもいい。旗本の嫡男と花魁の恋の結末に涙。何と言っても今回は火事の恐怖で幼い頃の記憶を失っていた佐保に嬉しい真実がもたらされる。幸せが一つ増えたところで次は佐保の恋の行方・・・でしょうか。2020/10/19
kei302
62
佐保の父親にはもっとすごい秘密がある、たとえば密偵のようなとか、ひょっとして暗殺されたのかとか、もっと大きな秘密があると思っていたら、割とあっさり判明。 眼精疲労と肩と首のコリ、乾燥肌には何を摂るとよいのでしょう。佐保さん、教えて、というか、作って。2021/10/25
真理そら
62
あっさり佐保の父親が登場してきてびっくり。このシリーズのホンワカした雰囲気が好きだ。佐保の素性(?)が明らかになったので次作以降の展開が想像できなくなったが、もうすぐ三作目を読めるので楽しみ。2021/04/08
はつばあば
49
吉原の火事で姉花魁である玉紫が背中に大やけどを負ったり、その火事で記憶の戻った佐保・・と佐保の周りは大変です。盛り込み過ぎてちょっと・・と思うところはありますが颯太と小夜、小夜と佐保のこれからが気になります2022/02/05
はにこ
39
前作で佐保に世話になった人々が元気そうでなにより。今回もその人に必要な食事を作ってあげる。食事変えたら速攻で良くなることなんてあんまり無いと思うけど、小説だからね。役者さんも良くなってめでたしね。さて、火事を通して過去が明らかになった佐保のこれからが楽しみだ。2021/05/08