内容説明
石川県金沢市。雨がよく降るこの街で、ある噂が流れていた。雨の日にだけ現れる不思議な茶房があり、そこで雨宿りをすれば、会いたい人に会えるという。噂を耳にした男子高校生・陽元晴哉は、半信半疑で雨の茶屋街を歩き、その店――『あまやどり茶房』にたどり着く。店を営むのは、年齢不詳の美しい青年・アマヤと、幼い双子。晴哉が彼らに「離れ離れになった幼馴染み」に会わせて欲しいと頼むと、なんと、居所も知らないその少女が本当に現れて――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
54
金沢の街もお菓子も大好きなので楽しく読了。作者の金沢モノは街への愛が溢れているので住みたいなあという気分になる。幼馴染の2人がかわいい。ハルの一方的な想いじゃなくて良かった。祠はDIYで作り直してはいけないモノなのだろうか、と思ったりもした。2022/07/31
野のこ
38
切ない話もありつつもじんわりあたたかいし、全体的にほっこりしててしかも最後まで繋がっていてとてもよかった〜。なんとなく話は見えてたけどこの安心感よ。ハルくんとミオちゃんカップルにほっこり。小学生のときに私もツバメ調査で東茶屋街あたりに行ったのでニヤリとなった。あそこはほぼ観光客ばかりだけどお気に入りのお店もあるし最近近くに引っ越したのでまたぶらぶら歩きたいな。2022/07/28
にゃうぴょん
11
面白かったです。雨の日だけ現れて会いたい人に会える不思議な「あまやどり茶房」に心惹かれます。店主アマヤさんと晴哉との過去から関係のエピソードも良かったです。ほのぼの温かい気持ちで読み終えました。続編が出たら読みたいです。2020/08/13
もちこ
8
作者さんの金沢ものは二作目! 雨の日にだけ現れる茶房だから『あまやどり茶房』って名前が素敵だなあ。絵画の話が好きです、絵の向こうの人に会えるっていいですね。もうちょっとこの先を読んでみたい優しい物語でした。2020/07/25
kinta
6
金沢、雨ですよ。鉄壁シチュエーションですよ(笑)。でも出会いたい人は彼岸の方もいるし、紡がれる物語は哀しいものも多い。でも泣かせるように仕向けるわけでもなく希望を見出せるのはこの著者ならでは。そして、神様の人間臭いこと。ウイとエンがアクセントを決める。風景の見える業者に男子高校生の日常を挟んで雨が包み込んでいく。こういう箸休めがホシイ。2020/11/27