新潮文庫<br> 深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

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新潮文庫
深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】

  • 著者名:沢木耕太郎【著】
  • 価格 ¥605(本体¥550)
  • 新潮社(2020/08発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101235301

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内容説明

風に吹かれ、水に流され、偶然に身をゆだねる旅。そうやって〈私〉はマレー半島を経て、やっとインドに辿り着いた。カルカッタでは路上で突然物乞いに足首をつかまれ、ブッダガヤでは最下層の子供たちとの共同生活を体験した。ベナレスでは街中で日々演じられる生と死のドラマを眺め続けた。そんな日々を過ごすうちに、〈私〉は自分の中の何かから一つ、また一つと自由になっていくのだった。此経啓助氏との対談「十年の後に」を収録。「あの旅をめぐるエッセイIII 仏陀のラーメン」が新たに追加された【増補新版】。※本電子書籍は、令和二年八月発行の新潮文庫(新版)を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chanvesa

25
ベナレスの死体焼場にたたずむ場面は印象的である。お話で聞く内容であるが、焼かれたり、不慮の死を遂げた人は焼かれずに川に流され、やがてカラスについばまれるという生き死にの凝縮された光景だ。沢木さんはこの後熱病にかかる。本当の病気であろうし、その光景から受ける衝撃が加速させた症状であるのかもしれない。ベナレスの宿の少年ニーランニャムに好印象を持つも下位カーストの少年に対して見せる軽蔑にがっかりするが、「カーストというものは絶対的な支配力があるらしく」(183頁)とあるように許されないが根の深さも感じさせる。2023/12/29

おはち

19
よく「行くと価値観が変わる」と言われるインド。価値観が変わるという言い方自体が好きじゃないけれど、行って戸惑うことは間違いないと思う。死生観なんて場所が違えば絶望的に違ったものになってしまう。優しい少年が下のカーストの子に強く当たる場面が特に印象的だった。一方カトマンズに滞留する旅人たちの鬱蒼さはこの目で見てみたい。2020/10/07

Kaz

18
ロンドンを目指す旅はインド、ネパールに突入。両国についての知識は映画で見た程度のものしか持ってはいないが、貧しい人々がおかれている境遇や行動様式は万国共通だ。そこには救いようのない諦観と、それにへこたれることなくしぶとく生きていく人々の姿がある。オリンピックの開会式でこうした国々の選手団をみることもあるが、彼らは恵まれた環境の人々なのだと痛感する。2023/02/10

eiro

14
本棚の整理。若者バックパッカーのバイブル、文庫本インド・ネパール編。あれから都市部のインドは大きく変わった。インド旅行について他人からよく聞いたのは、インドは世界中旅行して最後の行くところだと。町の猥雑さや、見たことのない事象、人間たち。結構衝撃的だった。特に強烈なのはベナレスでの火葬だった。インドの旅はとてもハードだった。バックパッカーは貧乏自慢や、技術指南も多いが、著者は主張も何もないように感じた。著者本人が言ったように、彼は風のように旅をしていたのだ。旅行記の枠を超えて、読み物としてとても面白い。2023/09/16

友蔵

13
この本を読みながら感じていた自分の中のモヤモヤ。。分からなかった。。その時代に、そこに行かなければ知り得ない世界(人々の生活)を疑似体験しながら頭を遊ばせて考えてみる。。人々は必死で懸命に生きている。この生きる事に対する必死さ、熱量!?(ん~上手く言えない)が決定的に足りていない事に何となく気付いたのかもしれない。2021/09/21

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