新潮文庫<br> カネと共に去りぬ(新潮文庫)

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新潮文庫
カネと共に去りぬ(新潮文庫)

  • 著者名:久坂部羊【著】
  • 価格 ¥737(本体¥670)
  • 新潮社(2020/08発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101203430

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内容説明

今日、患者が死んだ――。倫理に反する言動で白眼視される医師村荘(むらそう)を描く「医呆人」。ある朝、心が毒虫に変じた女医の葛藤「変心」。高級老人ホームに住む男女の恋愛ドラマ「カネと共に去りぬ」。そして高慢きわまる老医の手記「アルジャーノンにギロチンを」。久坂部羊が名作に鮮やかなメスを入れ、現代医療の嘘と欺瞞を浮かび上がらせる。ブラックでシニカルな、七錠の劇薬エンターテインメント。(解説・大矢博子)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

イオちゃん

47
「芥川症」「院長選挙」に続いて著者3冊目。タイトルが面白く、内容も登場人物ももじったところが面白くはあるのだけど、前作と同じく毒がかなり効いた短編集でした。特に「吾輩はイヌである」「アルジャーノンにギロチンを」は、実験動物の話で、もしかしたら現在もコロナワクチンなどの開発でこんな実態なのかもしれないと思うと、複雑な気持ちに…。表題の「カネと共に去りぬ」のセリフ回しに笑ってしまったけれど、認知症って切ない‥。2020/12/04

ぽのぽの

33
筆者は医師であり小説家。新書『人はどう死ぬのか』を読み終えたので小説にも手を伸ばしてみた。有名な文学作品を模倣した短編集。パロディではなくパスティーシュというらしい。古典的な名作を現代の医療・介護の現場に置き換えた作品7編。新書で書かれていた過酷な医療現場の現状が小説にも随所に出てくる。かなり痛烈。タイトルの『カネと共に去りぬ』は言わずもがな『風と共に去りぬ』の模倣。カネがカタカナになっているのは「鐘」と「金」を“兼ね”ているから。(だと思う…)2023/11/14

鍵ちゃん

29
今日、患者が死んだ。倫理に反する言語で白眼視される医師村荘が描く「医呆人亅。ある朝、心が毒虫に変じた女医の葛藤「変心亅。高級老人ホームに住む男女の恋愛ドラマ「カネと共に去りぬ亅。そして高慢きわまる老医の手記「アルジャーノンにギロチンを亅。名作に鮮やかにメスを入れ、現代医療の嘘を浮かび上がらせる。7篇からなる短編集だが、作者独特のリアリティあり、かつブラックな要素溢れる作品であるため、一つ一つ引き込まれました。「吾輩はイヌである亅が最後は悲しいがいいかな。医師も大変だ。2021/11/22

うさっち

24
かなり毒が強めな名作パロディ短編集。実験動物のことを考えると何とも言えない気持ちになるし、認知症を恐れて日記をつけていたら、どんどん文章がおかしくなっていくというのも切なくなる。とにかく歳を取って病院に行くのか嫌になるし怖くなってしまう。2020/12/16

ロボット刑事K

21
本作は名作のパスティーシュと言いますか、パロディと言いますか、はたまたオマージュ?作者の言葉そのままなら、要はパクリです。医学や医療をテーマにした小説は、大体が泣かせるような作品ですが、そうした作品と一線を画し、久坂部作品はどれもかなりブラックで面白いです。本作もそんなブラックな短編集。パクリの元の作品は読んでいようがいまいが関係なく面白いです。ただ、表題作はすこしおふざけが過ぎるような気がします。☆4つで。ちなみに私は仕事をリタイアしたら、健康診断とかドックとか一切受けるの止めようと思っています。2022/07/06

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