内容説明
美貌の未亡人・南条英子に翻弄され、人生を狂わせていく男たち。怪しげなマンションに消えた英子。そこでは何かが起っている。作家・藤綱は、心の奥底にひそむ自殺願望を英子に見破られ、死の寸前まで追い詰められた。あなたの知らないもう一人のあなたにそっと問いかける、遠藤版「ジキル博士とハイド氏」。女の性の深淵を描く! <上下巻>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱんぺろ
12
本作はそんなペラペラペラ〜っと読み進められる面白さに溢れたまに再読しますが、そこはやはり遠藤作品。心が、ことばも、刹那に支配されていることがおそらくほとんどの人の日常で、それが悪、という程のことではない(常に理知で事を図る人間ほど気持ち悪いものですしネ)。しかしここで遠藤がいう『悪』は、そうした人の弱さ、本能を嗅ぎつけひたとすり寄ってくる質らしい。恐ろしい。ボクの心の深奥にある衝動に、そうした『悪』に直結するモノが否応なくあるゆえ、たまにこのテの小説なりを読めば、また気持ちを引き締める作用があってよいデス2016/08/03
kumako
6
英子が特殊能力を持つキッカケになった理由が面白いけれども軽い…この能力自体が非現実的だから仕方ないかも知れませんが。そしてバリ島の高僧が魔女に勝った方法を知りたかったです、愛?なのかな?深層願望が叶えられない事は可愛そうな事ではなく、本人がそのようにした方が生きやすいから選択しているのだと考えるので、英子のしている事は罪だと思いました。2019/06/11
あきまこ
2
上巻の途中から、同じく遠藤周作著『真昼の悪魔』に似た感じかと思いましたが、下巻に入りより一層非科学的な悪魔論が繰り広げられていると思います。ストーリー的には謎が残り、もう少しネタ明かしが欲しかった。2012/02/17
tae521
1
恐い世界ですがあるかもしれないなぁと思わずにはいられない(^-^;2013/02/04
tcmatsu
1
表題にある「悪霊」とは南条英子を直接指すのではなく、彼女が持ち得てしまった「人間の無意識の欲望(負の欲求)を呼び覚ます力」を指すのでしょう。時には一人の人間を破滅に導く力となり得る能力。宗教の世界では邪悪な力とされ、そのような能力を持つものを悪魔と呼んでいたのでしょう。生活の中で宗教の存在が希薄な日本人にとって、この物語がどの程度インパクトを与えるものかは未知数だと20年ぶりに本書を読み返し、ふとそんなことを考えました。2012/09/15
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