講談社文庫<br> 汚名(下)

個数:1
紙書籍版価格
¥968
  • 電子書籍
  • Reader

講談社文庫
汚名(下)

  • ISBN:9784065206294

ファイル: /

内容説明

当代最高のハードボイルド作品と言われる、ハリー・ボッシュ・シリーズの邦訳最新刊! ボッシュ刑事物の最新作は、前作『訣別』同様、ボッシュに関わるふたつの事件を平行して描く。ボッシュが陥る二種類の危機(潜入捜査における現実的な死の危険と、捜査官としての名誉が汚される危機)を迫力たっぷりに描きだし、またしても抜群のページターナーに仕上がっている。特に前者の潜入捜査では、何度も死の危険に襲われ、シリーズ中“ボッシュ最大の危機”を描いたと言っても過言ではない。
 原著題名のTwo Kinds of Truth(二種類の真実)とは、かつての同僚たちからも証拠捏造を疑われた際のボッシュの心情に関するくだり(「ボッシュは、この世には二種類の真実があると知っていた。ひとつは、ひとりの人間の人生と使命に関して、けっして変わらぬ原則である真実。もうひとつは、政治家やペテン師や、悪徳弁護士とその顧客たちの、目的に適うように折り曲げ、加工できる柔軟な真実」)に出てくるもの。
【上下・全二巻】

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tetchy

165
齢65歳にして八面六臂の大活躍を見せるボッシュ。彼に定年退職はあっても引退はなく、一生刑事であり、そして昼夜を問わず寝食も頓着しない全身刑事であり続けるだろう。彼は今回向き合った事件で数々の世の中の不条理に直面する。人生は皮肉に満ちている。これまで刑事として数多の割り切れなさ、遣り切れなさを経験しながらも改めて人間というものの恐ろしさ、そしてそれぞれの欲望が招いた業の深さを思い知る。本書はコナリー31作目の作品でありながらもこのハイクオリティ。ボッシュが一生刑事なら私も一生コナリーファンであり続けよう。2021/04/03

ケイ

126
今回のボッシュはダブルにピンチだったのが、うまく乗り切り、さらにほかの問題も解決しそうじゃないかと思ったら、まさかまさかシリーズの次に持ち越し。この後の『素晴らしき世界』(原題 Dark Sacred Night)が手元にある時に読んで良かった。次の表紙はサンタモニカかしら。。。2021/09/21

KAZOO

120
今回は久しぶりにハリー・ボッシュに戻りました。三十年ほど前に逮捕した死刑囚に対しての再審が開かれることになり危機に陥ったり、麻薬捜査にたずさわったりで、前回の新シリーズの主人公バラードと同じように二つの仕事を掛け持ちしています。とくに麻薬捜査では潜入捜査ということでかなり危ない橋を渡ったりします。もう一つの再審の方は、弟のハラーや調査員シスコの助けなどで乗り切ります。2022/08/25

のぶ

104
下巻に入ってもボッシュに関わるふたつの事件を平行して描く。麻薬に関わる事件を仲間と力を合わせて捜査していく。犯罪者集団のアジトを突きとめ、親玉を捕まえる証拠を手に入れるために、潜入捜査を行う。この活躍が超人的で、話を盛り上げている。この物語のボッシュの年齢を考えると、展開にやや無理がある気がするが、そこはコナリーのサービス精神でご愛敬です。終盤の裁判シーンではミッキー・ハラーも活躍を見せ法廷ドラマの要素も加わって、読みどころいっぱいの本でした。これから先もコナリーの作品には目が離せない。2020/09/12

パトラッシュ

78
ハードボイルドに登場した刑事や探偵で、ボッシュほど傷だらけの男はいない。今回も潜入捜査で薬物中毒の残酷な現実を見せられ、正体がバレて殺されかけた。法を守るべき弁護士の欲望から冤罪を着せられかけたのを異母弟ハラーの見事な法廷戦術で窮地を脱したが、その手段は彼の思いにそぐわなかった。それでも自分の信じる正義のため戦うボッシュは、アニメ『装甲騎兵ボトムズ』の主人公キリコと重なる。キリコは信じてくれる女フィアナがいたため誠意を持って生き、ボッシュも娘マディのためまっすぐ進む。その姿こそ、尊敬できる男の肖像なのだ。2020/09/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16152797
  • ご注意事項

最近チェックした商品

 

同じシリーズの商品一覧

該当件数2件 全てにチェックを入れる/全てにチェックをはずす