内容説明
記憶を失った自動人形《オートマタ》の少女リーナ。出来損ないの人形技師でトラブルメーカーのレミ。百億歳を過ぎた太陽が燃え尽きようとする凍える世界で二人は出会った。
「ねえ、レミ。私、もうすぐ死んじゃうかもしれないんだ」
「リーナは私が直してあげるから!」
人類の文明が滅んだ世界で、頼る者もいない。それでも壊れかけた人形の死を食い止めるため、二人の少女は東の果てにあるという《楽園》を目指す。
――きっと間に合わない。でも、最後の最後までレミと一緒にいたい。
終わりゆく世界で二人の旅は続く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のれん
17
この作者の作品を読んだ人なら分かるであろう、絶妙な終局を感じさせる切ない旅が今作も主題となっている。 百合っぽいと感じさせる挿絵や描写だが、言うほど愛情がこじれていったりすることはなく、旅の相棒という立場だったと思う。 旅の果てとは自身を保存させることではなく、死んだ人の思いを忘れずに伝えることだ。小分けにした短編を挟みつつゆっくり旅を描写している。 今作のロボットであるオートマタたちの人間らしさは強調されていたが、人間との境目は表現されるのだろうか。人情系が強い作品だがSF的な意味も続刊には期待したい。2020/08/09
オザマチ
15
ポストアポカリプスものにしては生き残っている人が多くて、色々な意味でちょっと甘めな舞台設定だけど、その代わりに二人が他社との交流を通じて成長したり、絆を確かめあったりするシーンが多くてとてもよかった。2021/12/05
ツバサ
13
文明が滅んだ世界で死ぬまでに心残りがないように生きていく人達と出会い、関わり合いながら旅をする少女と自動人形の成長や人情味のあるエピソードが詰まっていて、切なくも暖かい物語になっていました。2020/08/09
真白優樹
13
太陽が死を迎え、寒冷化の一途を辿る火星で、自動人形の少女と人形技師の少女が楽園を目指し、旅をする物語。―――この終わり逝く世界で、最後まで前を向いて君と共に。いつか終わりが来るのは必定。だけどそれでも最後まで生きていく。幾つもの終わりを経験しながらも楽園を目指し、楽園の果てで大切なものを得る、終末の寂寥感と人々の絆とつながりの温かさが、心に何処か光を齎してくれる物語である。幾つもの何かが終わっていく、それは彼女達も同じ。それでも進んでいく彼女達の道の先、どんな景色が待つのか。 次巻も勿論楽しみである。2020/08/10
リク@ぼっち党員
10
太陽に寿命が近づき、凍えゆく地球で旅する二人の少女。一人は人間、一人は自動人形。人類が生きるにはあまりに厳しく、自動人形が生きるには何もかも足りない。そんな世界でも大切な人と隣にいれば温かい。百合というよりは絆を描いた作品で、大切な人というのは生きる希望になり得る稀有なものだと思えた。人も機械も大切な想いと思い出を胸に生きている。幸運なことにも自分たちは平和な世界に生きてるんだし、彼女たちに負けないような素敵な思い出を積み重ねていきたいものだ。2020/08/12
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