中公文庫<br> 勝負師 将棋・囲碁作品集

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中公文庫
勝負師 将棋・囲碁作品集

  • 著者名:坂口安吾【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 中央公論新社(2020/07発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784122065741

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内容説明

木村義雄、升田幸三、大山康晴、呉清源……。盤上の戦いに賭けた男たちの対局に、安吾は何を見たのか。表題作ほか小説、観戦記、エッセイ、座談まで初集成する。文庫オリジナル。
〈巻末エッセイ〉沢木耕太郎「私だけの教科書」
〈解説〉西上心太

【目次】
 Ⅰ
散る日本/勝負師/九段/名人戦を観て/坂口流の将棋観/観戦記/将棋の鬼

 Ⅱ
囲碁修業/負け碁の算術/文人囲碁会/本因坊・呉清源十番碁観戦記/呉清源論/私の碁/碁にも名人戦をつくれ

座談会二編
囲碁・人生・神様/呉・藤沢十番碁を語る

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

kokada_jnet

29
坂口安吾の将棋、囲碁に関する文章をまとめたものだが。思ったより分量が少なかった。しかし、将棋・囲碁の観戦記がメインなのだから、総棋譜と盤面図を入れておいてほしかった。ネットにアップされている棋譜を自分で見るしかない。「散る日本」の塚田・木村の名人戦第七局の、この本に書かれている塚田の三手目の着手の表記が間違えている。「塚田五六歩×」「塚田二六歩〇」。安吾全集自体が間違えているのかな。そういうレベルの「校正」ができる人が、関係者にいなかったのか。2019/11/18

こうすけ

23
坂口安吾が描く囲碁・将棋のルポルタージュやエッセイ。とても面白い。視点が独特で、名人の風格とか、美しい将棋にこだわることのバカバカしさを指摘し、勝負師として勝つためならなんでもするという執念や貪欲さをたたえる。宮本武蔵もかつてはそうだったのに、五輪書なんか書きやがって……と、ひたすら権威や風格になびく日本人気質を糾弾。その根っこには敗戦の傷や反省が。にしても、対局前夜に深酒をして結果、一緒に飲んだ人が負けたり、名人にヒロポンを打ってあげたりと、かなり勝負にコミットしている。いいのかそれ。2024/11/18

しーふぉ

19
坂口安吾が将棋や碁の観戦記を書くと流石だと思わせる。木村、大山、升田などが活躍する時代なので今からすると、伝説や神話のような話しに聞こえる。それぞれの性格わ負けず嫌いが垣間見えて面白い。2019/07/27

gtn

9
呉清源が璽宇に狂信した理由として、著者は呉が人間として情緒的な部分が少なく、非人間的な完璧さがあったことを挙げる。しかし、当然ながら、勝負の世界において自己の限界を自覚せざるを得ず、超常的なものに引き寄せられたという著者の見立ては納得できる。しかも、より荒唐無稽なものである必要があったのだろう。後に呉は璽宇から離れるが、人の心は手を合わせて拝まなくても無信仰というものではないからとコメントしている。「自分教」というものを確立したようだ。2019/01/02

karutaroton

7
おもしろかったなー。 戦後すぐの将棋棋士、木村さん、升田さん、大山さん、塚田さん、といった方々が登場します。 坂口安吾さんも面白い人なんだろうなー。最後に沢木耕太郎さんの文章があるのもまた良し。将棋ファンの方に広くオススメです。2018/09/05

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