内容説明
英語教科書でおなじみのジャックとベティが、50歳で再会したとき、いかなる会話が交されたか? 珍無類の苦い爆笑、知的きわまるバカバカしさで、まったく新しい小説の楽しみを創りあげた奇才の、粒ぞろいの短篇集。ワープロやTVコマーシャル、洋画に時代劇……身近な世界が突然笑いの舞台に!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
65
再読。表題作が好きで好きで、もう一度読みたくて読み返す。内容は中学の英語の教科書の登場人物が、五十代になって再開するというもの。あの不自然な文体でやたら生々しい会話が交わされるのがもう可笑しくて可笑しくて。不謹慎だけど父親の話や元夫の話、黒い笑いが込み上げて仕方ないのね。他にもサイコホラーを谷崎風味で味付けし、主人公の変貌が怖い「冴子」や、「四畳半襖の下張」や時代劇のパロディ。当時隆盛を誇っていたテレビに出る事になった一般人の悲喜劇等盛沢山。著者のパロディストの一面をとことん楽しめる一冊となってました。2024/12/09
えんちゃん
59
読友さんのレビューに惹かれ。シュールでへんてこな短編小説集(褒めてる)。表題作『ジャック…』50歳になった彼ら。中学英語で習ったワケわからん文法が懐かしい。『冴子』は63歳老人の日記がイカれていて面白い。私も貴方も来るのよ、そういうお年頃。1988年刊行。今も昔もお年寄りが一番元気。2020/04/20
kana
35
どれも入れ物や型が前提としてあって、その上に独自の世界観が広がっていて、時についていけなくなるくらいの奇抜な着想の宝庫。とにかくあのジャックとベティのその後が気になる方、表題作は一読の価値があります。読後感はよくないですが。《「あなたのお父さんは元気ですか」「いいえ、彼は死にました」》《「あなたは結婚していますか」「かつて私は結婚していました。」(略)「あなたは離婚しましたか」「はい、私は離婚しました。人工授精をして代理母に産んでもらった子供を裁判で取り上げられて以来、私たちはうまくいかなくなりました」》2023/09/17
茉莉花
30
「永遠のジャック&ベティ」面白かったです!最初、電車の中で読もうかと思ったのですが、あまりにも面白くて何度も噴き出したので、これは外で読んだらまずいなと思いました!最初、タイトルを見てアメリカ作家が書いた作品かと思いました。だって表紙がそれっぽい笑。 あと、「ナサニエルとフローレッタ」という作品の映画のパンフレットが面白かったです!よくもまぁ、こんな奇怪でファンタスティックな作品が書けること・・・素敵だと思います。とにかく「永遠のジャック&ベティ」はユーモアいっぱいで読んでて幸せになるのでオススメです!2016/03/06
ちさと
28
知的でバカバカしいストーリーをいろんな切り口で楽しませてくれる短編集。表題作「永遠のジャック&ベティ」は英語教科書の例文に登場する2人が、50歳で再会した場面の会話を描いています。独特の会話法が笑える。パロディって原作を知っているか、いかに思い入れがあるかによって楽しさが左右される部分もおおきいので、読む人によってそれぞれのお話の楽しさ度合いはかなり違うかも。「インパクトの瞬間」「冴子」がもうどうしようもなくて大好き。2019/01/06
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