蓄電池社会が拓く エネルギー革命

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蓄電池社会が拓く エネルギー革命

  • 著者名:野澤哲生【著】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 日経BP(2020/07発売)
  • ポイント 22pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784296106622

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内容説明

自然エネルギーは、作れば作るほど安くなる“工業製品”だ!
太陽光発電や風力発電による電力は再生可能エネルギー、または自然エネルギーとも言われるが、実は工場で大量生産される“工業製品”でもある。こうした電力は「スワンソンの法則」に沿って、作れば作るほど安くなることが知られている。事実、太陽光発電の発電コストは既に当初の1/100になっている。しかもまだまだ安くなり、その下限は見つからない。将来的には、太陽光発電の発電コストは“ほぼタダ”に近づく。
 米フォードが20世紀初頭に自動車を大量生産し、“馬”に頼っていた我々の移動手段を一変させたように、電力の世界もこれまでの化石燃料の“狩猟採集時代”から“工業化時代”へと変わる。すると我々の生活も大きく変わる。今から再エネを積極的に導入していけば早ければ2050年には日本でも現行の電力需要量と同じ量(約1兆キロワット時)を再エネだけで賄える計算で、電気料金は現行の1/10~1/2になる。製造業はもちろん、物流、運輸、情報通信などに掛かっていた諸費用も大幅に安くなる。空飛ぶタクシーなどの新産業にとっても朗報だ。石油あるいは石油から作られていた化学製品が電気エネルギーを使った合成によって自然エネルギーから作られるようにもなる。
 その実現のために、取り組む必要があるのは再エネの大量生産だけではない。その工業製品としての“電力”を一時保管する倉庫、つまり蓄電池も大量生産する必要がある。電力の工業化時代は、蓄電池が社会の隅々まで浸透した“蓄電池社会”でもある。その先には“水素社会”も待っている。

目次

第1章 なぜ今、電気代を1/10にできないか
 格安料金の実現を阻む黒幕
 1/10にならない2つの理由
 電力系統は最後の超計画経済
 黒幕は「同時同量則」

第2章 太陽電池/再エネ編:再エネの本質は電力の工業化
 電力源の“狩猟採集”時代が終焉へ
 再エネは工業製品
 日本でも再エネが本格化
 いきなり洋上風力発電大国に?
 送電線問題と同時同量則が最後の壁
 送電線容量はルール変更で2倍に

第3章 蓄電池編:電力を貯められる時代に
 “電力の東側陣営”から脱却へ
 蓄電池で同時同量則の鎖を断ち切る
 リチウムイオン2次電池を大量導入へ
 再エネ+蓄電池でコストは見合うのか
 次世代電池でさらに低コストに

第4章 水素/燃料電池編:“運べる電気”が実現
 蓄電池との連携でコストの壁を突破
 水素/燃料電池も活用へ
 クルマから始まる“蓄電池+水素”社会
 蓄電池で水素も安くなる
 “運べる電気”で送電線増設を回避

第5章 省エネ技術編:2050年、電気料金1/10の実現へ
 その先には再エネ100%社会も可能に
 再エネの大量導入は100年続く
 電気の無駄遣いを推奨へ?
 火力発電も“再エネ”に変身
 今後の経済成長は省エネ技術の成長

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Z

4
結論から言うと、電気の価格モデルをネットやスマホのような定額プラン、低価格にできるというもの。現在の発電の仕組みは重工長大産業に近く、少数の発電所が大量生産している。大量生産すれば安くなるはずだが、資源の問題や再エネ付加金などもあり年々電気代は上がっている。太陽光なり自然エネルギーは自然の問題を解消し、工業型の電気生産をインターネットのような自立分散型のモデルに代えうる。蓄電池の誕生は電気が貯めれなかったことを解消する。これは消費する分と発電する分を同量にしないと電気の発送電システムが壊れるためだが、これ2021/07/04

Haruki

2
日経クロステック副編集長が描く、日本政府と電力関係事業者が精いっぱい背伸びすれば、技術的には電気代1/10は見えるよ、という想いに溢れた本。背伸びのためには、再生エネの大量導入で規模の経済と学習曲線を働かせる(スワンソンの法則)ことに加え、同時同量制の克服に向けて、蓄電池+燃料電池の導入により、発電供給量の平滑化を実現させることがカギになる。コスト面で太陽光+蓄電池で発電原価5円/kWhは見えてきている。いずれ来たる社会は、電力の定額使い放題になる(ネット料金の進化と同じ道)と風呂敷が広がっている。2020/08/01

kentatnek

0
蓄電池と燃料電池。2023/11/26

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