内容説明
私の人生では「新しい」こと、つまりまだ済んでないことがあります。それは死ぬことです。――養老孟司が「死」から話をはじめる、目からウロコの人生論! 「死」について、「自分」について、「世間」について、「学問」について、「現代」について、「日本人」について、「考えること」について――。著者が自身の人生を振り返りながら、生きるためのヒントを語りかけます。目次より:大賢は大愚に似たり。そっくりだけど大違い/自分の死なんてどうでもいい/本質的に変わらない「私」なんて、ない/中庸をとるために極端な理論を立てる/敗戦で私は「だまされた」と思った/「あたりまえ」は意外にむずかしい/自己チューの社会的意味/単純な解答はたいていウソ/「考えないほうがいい」ことなんかない/日本人は「生きて」いない/この国は「自分流より世間流」/日本も、私も、楽観主義でいきたい/※本書は二〇〇四年にマガジンハウスから刊行された『運のつき』(二〇〇七年、新潮文庫)を復刊し、改題したものです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うっちー
16
難解。もっと平易に人生論を語って欲しかった2017/04/18
ともさち
12
読みたかった本。難解な部分もあったけど、ハッとさせられる部分もたくさん。考えをまとめない(=こだわる)ことの重要性。素過程に分解して考える。方法と目的はちがう。2016/09/19
かわかみ
7
いやぁ面白い。いつも逆説的な見方考え方を提示してくれる養老先生の発想がどうして生まれてくるのかを自身の人生を振り返りながら明かしてくれている。それで発想の源泉がわかったというわけではないが、わかる気がした(笑)。共同体を否定して定立した近代西欧的な自我について、そんなにしっかりしたものではないぞ。すべては無常で自分だって変わるんだから、とお坊さんみたいなことを仰るのはいつものこと。でも、反面、自分は世間に馴染めてこなかったとも仰る。先生はたまたま?東大の先生になったけれど、本当は虫採りが一番お好きなんだ。2025/06/26
歩
6
この人は何か大切な事を言っていると思い、この10年くらい著者の本を読んできた。『運のつき』も読了していたが、今、こうして読んでみると、最近辿り着いたと思った境地(というと大袈裟だけど・笑)が、あちらこちらに出現している。今でも、養老先生から何を受け取ったのかは判然としないけれど、私が目指していたモノはこの辺にあったのかもしれないと思える一冊だった。手許に置いて読み返したい本。2017/01/06
laptop
3
養老さんの死生観が好き2021/10/26