外来生物のきもち

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外来生物のきもち

  • 著者名:大島健夫【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • メイツ出版(2020/07発売)
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  • ISBN:9784780423365

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内容説明

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本書は詩人として活躍されている大島健夫氏が
外来生物のきもちを代弁した読み物です。


大島健夫氏は2016年、
ポエトリー・スラム・ジャパン2016の全国大会に出場し優勝。
その後フランスのパリをはじめ
ベルギー、イスラエル、カナダの詩祭や
ポエトリー・スラムなどに出場している詩人です。

そんな詩人であるいっぽう、
子どものころから生きものが大好きで、
房総半島の里山を中心に時間を見つけては
生きものの観察をしています。

そしてときにはネイチャーガイドとして
里山の生きものの魅力を訪れる人々に伝えています。


そんな大島氏が外来生物になりきって
その外来生物のきもちを想像しながら話を進めます。

なぜ外来生物がはるばる日本にやってくることになったのか、
そして広く生息するようになったり、駆除されたりと、
人間に翻弄されながら生きている
今の外来生物のきもちを代弁します。

話の進行は外来生物の中でも凶暴な生物として恐れられているカミツキガメが、
アライグマやウシガエル、オオクチバス、
コブハクチョウ、アメリカザリガニ、
セイタカアワダチソウなど
さまざまな外来生物を訪ね歩き、
それぞれの外来生物と会話しながら
話を引き出すという手法で進められます。


大島氏は「あとがき」で
「人間のせいで、探していたいきものが、
もういないとわかったとき。
人間のせいで、いきものがたくさんいた場所が、
もう何もいない場所に変わってしまっていたとき。
以前はいなかった、人間の手で持ち込まれたいきものが、
もとからいたいきものを滅ぼしてしまったとき。
そんなときには、例えようもない悲しさ、悔しさ、怒り、やるせなさを感じます。

しかし、あるとき、ふと気づいたのです。
それは私が、本当は、いきものたちの住む世界が
失われていく光景の向こうに、
いつか、人間の世界が失われ、
人間が滅びてしまう光景を見て、
悲しみ、悔しがり、怒り、やるせなさを感じているのではないか…」

と書いているように
外来生物を通して人間の世界が
滅びてしまうことへの警鐘を鳴らしているのです。


収録されている外来生物は次の通りです。
・ カミツキガメ
・ アライグマ
・ シロツメクサ
・ アカボシゴマダラ
・ スクミリンゴガイ
・ ウシガエル
・ ミシシッピアカミミガメ
・ キョン
・ ヌートリア
・ オオヒキガル
・ ホンビノスガイ
・ クサガメ
・ セイタカアワダチソウ
・ オオフサモ
・ オカダンゴムシ
・ オオクチバス
・ ガビチョウ
・ クリハラリス
・ グリーンアノール
・ セアカゴケグモ
・ アフリカツメガエル
・ ヨコヅナサシガメ
・ コブハクチョウ
・ ブルーギル
・ フイリマングース
・ カダヤシ
・ クビアカツヤカミキリ
・ ワルナスビ
・ ハクレン
・ ワカケホンセイインコ
・ コナギ
・ ハクビシン
・ チュウゴクオオサンショウウオ
・ アオマツムシ
・ イエネコ
・ マメコガネ
・ コイ
・ アメリカザリガニ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

99
世界中で外来生物が問題になっている。生態系の破壊や人の生活にも影響を与える。この本は日本で問題になっている、外来生物38種を紹介している。紹介の仕方がユニークで冒頭のカミツキガメが外来生物と日本にやってきた経緯や事情を対談形式で説明してあること。外来生物たちは人間の身勝手さを痛烈に皮肉っている。食用のため、他の生物を駆除するため、交易時についてきたものなど、生き物に否があるケースはない。ハクビシン、アメリカザリガニ、ミシシッピーアカミミガメ他 すぐ近くにいる外来生物といえばイエネコもそうである、図書館本2020/09/03

鱒子

69
図書館本 ナビゲーターのカミツキガメさんが外来生物を訪ね歩き、インタビューする内容です。勝手に連れてこられた挙句、害をなす存在だと決めつけられて駆除の対象になるーーだいたいどの生物もこのパターンではあります。しかしそれぞれの動物がキャラクターたっぷりに自分語りをしてくれるので、分かりやすい。興味深く読みました。2020/07/04

たまきら

36
作者さんの気持ちがストレートに伝わってきます。自分だって、基本的には彼と同じ気持ちだもの。なぜ人間の愚行を、彼らが命を持って償わなければならないの?と。でも、著者の視点にも偏りがあります。セイヨウミツバチも外来種ですし、多くの人たちの庭を彩る植物も外来種が多いでしょう。彼らはいいの?また、在来種の視点は?外来種同士の語りあいに、在来種のカメや魚、ハナバチたちの言葉は出てきません。昔、水が干上がりかけた夏の水元公園で、途方に暮れたような大きなカミツキガメを見た時を思い出しました。…自分は通報しなかった…。2021/03/23

わむう

25
カミツキガメが外来種を代表して、今、日本にいる動植物や昆虫などにインタビューに行きます。人間の勝手で住処を変えられたにもかかわらず、自分たちを駆除しようとする人間の身勝手さを暴露したり、復讐を企てたり、あきれ果てていたりと、人間こそが一番駆除されるべきだと思っている気がしました。2020/10/27

hal

10
外来種とは。「アフリカ出身で移動して世界に蔓延ったホモサピエンスも立派な外来種では?」と思ったら、ちゃんと目次に定義が。人為的に持ち込まれた生物種のことのようです。本の内容は、カミツキガメさんが、色んな外来種のところへインタビューに行き、その気持を聞いて来ます。傲慢なコブハクチョウさんには、お家芸の噛みつき技を繰り出すというオチもあります。「人間は在来種のいきものを絶滅させ、外来種を増やすのが好きなのでは」「猫は世界と日本の両方の侵略的外来種ワースト100に選定されている」には納得しました。2020/07/04

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