内容説明
「お初、さぁどこで死のう」。徳兵衛に問われたお初の中で、答えはもう決まっていた。「曽根崎の森」。大阪の、大阪の街で死にたかった。――元禄時代、難波の街。物心ついたころから廓(くるわ)という特殊な世界で生きてきたお初と、醤油屋の手代・徳兵衛は、愛し合うものの、一緒になることはかなわない。向かった先は、曽根崎の森だった。愛と絶望の末に、語り継がれる「恋の手本」となった二人の悲恋を、やさしい小説で読む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
opika
3
文楽や歌舞伎では有名な近松門左衛門の戯曲を小説仕立てで。ストーリーは知っていても、これはこれでまた面白い。この本をきっかけに、文楽や歌舞伎に足を運ぶ人がいたら良いな。私も改めて観たいと思った。2020/06/29
み~くま
2
名前だけは知っていましたが、読むのは初めて。古典というだけでも敷居が高いのに、戯曲となるとちょっと読みにくいんですよね。この本はジュニア向けに作られたのだと思いますが、誰でも気軽に古典戯曲を楽しめるよう工夫されていたと思います。このシリーズでは他作品も出版されているようなので、そちらも手に取ってみたいです。2020/08/08
水生
1
名前とおおまかなあらすじは知っていたので小説として読めてうれしい。お初と徳兵衛の心中立てのシーンは胸が痛くなるが儚く美しくとても印象深い。帯にあったとおり2時間くらいで読めたので他のシリーズも読めたら読みたい。2020/10/04