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内容説明
労働問題を継続取材する中で見えてきたのは、雇用統計にすら反映されず、労働市場から“消えた”状態となっている中高年たちの存在だった。その数、100万人超。果たして、働き盛りのはずの40代・50代に、いま何が起きているのか? 日本経済にまで負のインパクトをもたらす、労働市場の「落とし穴」とは? ふとしたきっかけで誰もが陥りかねない「消えた労働者(ミッシングワーカー)」の実態と、その問題の背景、そして解決の糸口を、密着取材から多角的に描き出した、渾身の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hatayan
43
不安定な仕事と親の介護が重なって働きたくても働けない「ミッシングワーカー」の現状を報告。親亡き後に孤立した環境から抜け出したいと思っても、人と接する場に出向く勇気が持てず、精神的に追い詰められ社会的にも見えない存在に。当人はギリギリの収入のなかで、健康で文化的な衣食住すらままならない困窮した生活を強いられます。 中高年が老親を介護する「8050問題」。持続可能な社会を構築するためにも、行政や法律面の支援だけでなく地域でのつながりを密なものとし、一人一人の労働者が大切にされる社会を目指す必要があるとします。2020/04/01
ごへいもち
18
よく思うことだけれどこういうことを取材している人は心が強靭なんだろうなぁ。解決しきれない辛い問題ばかりで私なら心が折れそう2022/04/07
紫の煙
10
ミッシングワーカーは、アメリカ発の言葉だそうだ。求職活動をしていない働いていない人、失業率の分母にも入っていない。人手不足が進行する日本で、100万人のミッシングワーカーは深刻だ。その背景に親の介護の問題、いわゆる8050問題がある。親だって自分の子供が、介護のせいで生活が成り立たなくなる事を望んでいないだろうに。個人の問題ではなく、社会の問題だと感じる。2020/10/18
しゅん
10
失業統計上「無職」は職を探しているがみつからない人で、そもそも探していない人はデータから消去される。40~50代の「働けない」中高年の実態を追った本著は、特に親の介護のために長・短期の仕事ができなくなり、介護相手の死後も年齢のために労働市場から追い出され、体力・精神力の衰えが重なって八方ふさがりになった(orなりつつある)人々に取材をし、スポットを当てる。「介護」という仕事が大変に負担が重く、しかも報いも期待できない、社会的評価も与えられないものであるという実態には、自分事として戦慄する。2020/10/08
カッパ
9
うん。他人事ではない。介護離職するか悩んでたところです。孤立していくんだよね。そして外れると戻ってこれないから。つらいなあ。 私は週に1回でも働き続けてみる。2021/11/24