内容説明
明治12年、大阪船場、薬問屋が並ぶ道修町に近い釣鐘町で一人の男児が産声を上げた。両替商、鳥井忠兵衛の次男信治郎、後に日本初の国産ウイスキーを作り、今や日本を代表する企業サントリーの創業者の誕生であった。丁稚奉公先の小西儀助商店では薬以外にウイスキーも輸入して扱っていたが、儀助は国産の葡萄酒造りを考えていた。信治郎は夜毎、儀助と葡萄酒造りに励んだ――。
目次
序章
第一章 鳥井家の次男坊
第二章 丁稚奉公
第三章 ハイカラ修行
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
117
ナツイチ2020 マッサンとリタでもちょろっと出てきたサントリーの話。 丁稚の話は現在の労働環境にも通じる話であり妙に私の過去の苦い記憶とリンクします。作中にあるとおり本当に怖いのは使用者にいじめられることではなく先輩丁稚にいじめられることなのです。いつの世も人間は変わらないようですが理由は何なのでしょう?使用者よりも労働者同士のほうがイジワルな関係になってしまうのは?2020/10/02
姉勤
31
のちのサントリーの創業者となる人物の立志伝。上巻は青年期まで。明治初頭、欧米化しつつも江戸のしきたりが根強く残る、商人の町大阪で、丁稚という現在の物差しでは児童労働を経て、当時の日本ではまだ普及していない、洋酒業を立ち上げようとする鳥井信治郎少年の奮闘記。片やブラック企業、やりがい搾取に疲弊する人間がいる一方で、虚業で膨大な財を成す手合いもいる同時代に、客も商人も社会も得をする「三方よし」を目指す勃興日本に生きる主人公の姿に、世の中を眇めに観ている自分を、真正面に見られる気恥ずかしさを感じつつ読み進める。2026/06/10
さち@毎日に感謝♪
25
名前は知っていたのですが、初読み作家さんです。国産の葡萄酒を造る事を夢見ていた信治郎が、新しい商いを始めようと一生懸命な姿に応援したくなりました。下巻も楽しみです。2020/06/30
金吾
24
サントリー創業者の立志伝です。前向きなバイタリティー、着想、人柄等全部すごいです。当時の商人の世界が伝わる丁稚時代が面白かったです。2024/01/17
ゆきこ
23
『やってみなはれ』の精神で国産ウイスキー造りに命を捧げた男、サントリー創業者鳥井信治郎の一代記。明治時代の大阪で13歳で丁稚奉公に出て 20歳過ぎに自分のお店を持つまでが描かれている。楽観的で好奇心旺盛な鳥井さんが丁稚奉公で商人のイロハを周りの環境や人によって多角的に学べたのがよくわかる。どこの街に行っても母に教えられた信心深さは根底にあるんだね。これからどうやってサントリーという大店になるのかが楽しみ。ちなみに私はビールはプレモル派ですのでとても楽しい読書でした。2026/01/15




