中公文庫<br> 昭和16年夏の敗戦 新版

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中公文庫
昭和16年夏の敗戦 新版

  • 著者名:猪瀬直樹【著】
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 中央公論新社(2020/06発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122068926

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内容説明

日米開戦前夜。平均年齢三十三歳、全国各地から集められた若手エリート集団が出した結論は「日本必敗」。それでも日本が開戦へと突き進んだのはなぜか。客観的な分析を無視して無謀な戦争に突入したプロセスを描き、日本的組織の構造的欠陥を暴く。
石破茂氏との対談、新版あとがきを収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

南北

63
1941年8月に日本は「敗戦」していた。近衛内閣のもとで創設された「総力戦研究所」には30代の官僚や民間から優秀な人物が集められ、模擬内閣を作り、「机上演習」により、日本の将来を予測した結果、開戦から1~2年後には敗戦を迎えるとの結論が出された。戦前から戦後の歴史をたどることでその予測が裏付けられていく様子が見事だと感じた。「総力戦研究所」という組織だけを作って満足してしまったのも問題があるが、いわゆる「お役所仕事」に終始してしまった政治にも大きな問題があるように思う。 2023/12/22

てつのすけ

37
第二次世界大戦について、それなりに知っているつもりであったが、「総力戦研究所」を初めて知った。しかも、この研究所が出した敗戦という結論を、なぜ、政策に活かさなかったのか、甚だ疑問である。数字等のデータよりも、日本人特有の空気を優先した結果であったとは!現代に戻ると、敗戦という歴史の教訓が何も活かされていないのは、残念でならない。2021/04/26

ちくわ

22
ほとんど知られていない「総力戦研究所」という研修所のような存在ですが、彼らがシミュレーションした結果の通りに日本は進んでいきました。負けるとわかっていながらも戦争に突き進まざるを得なかったのはどうしてか?そのとき東條は何を考えていたのか?文句なしの面白さです。(☆5)2020/09/24

伊田林 浮刄

16
★★★★☆真珠湾の8ヶ月前、新設された「内閣総力戦研究所」に軍・官・民・マスコミからBest&Brightestな逸材36名が集められた。平均年令33才の彼らで組織された「模擬内閣」が来たる日米開戦とその行く末をシミュレートしたのだ。そこから導かれた結果は「日本必敗」…その元となったのはひたすら客観データに基づく彼我の分析のみ。それを受け取った内閣は「そんなこたあわかってるけどもうどうしようもねえんだよ」とばかり黙殺する(当時は総理も国会もただの雇われ社長にすぎないしね)(コメント欄へ続く)2020/11/15

Masakazu Fujino

11
開戦の年1941年4月、近衛文麿内閣の下設置された「総力戦研究所」ここに集められた各界の若きエリートたちは、模擬内閣を結成し、机上演習を行った。8月、その結果が出る。米英と開戦となれば最後はソ連が参戦し、日本は必敗する。データを駆使して導き出された結論は、「戦争はやってみなければわからない。日露戦争も予想外のことが起こって勝った」という東條英機の発言に見られるような、意見に潰される。しかし、著者はこんな本を書きながら、東京オリンピックのあの迷走ぶりはどうしたものか?コロナをめぐる政府の対応もしかり。 2022/03/06

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