内容説明
死ねば地獄、生きるも地獄の戦場は、どんなふうであったのか……。現地の人たちはどうしていたのか……。兵士たちは、何を信じて戦ったか……。非道で無謀な戦争のために死んでいった兵士たちの姿を記録して、昭和戦争史の暗部を照射する! 東部ニューギニアの戦地で戦い、犠牲となったすべての人々に捧げる、鎮魂の人間記録。日本軍敗退の記録。<「進攻篇」との2巻>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yoshiyuki Kobuna
9
昭和17年八月から翌18年二月にかけて東部ニューギニアで展開されたポートモレスビー作戦の、陸軍四一連隊の生存者からの証言と遺された従軍日記から連隊の足取りを追う。昭和時代後期の、現在から思えば結構ギリギリのタイミングで記された記録。おそらく10~15年遅ければ、出版されていたかどうか。2018/10/18
植田 和昭
2
ニューギニアで敵に包囲され、食料も補給もないままに、連日連夜激しい攻撃を受ける南海支隊の日本兵たち。極限の環境のなかで現れる人間性の崩壊。この無謀な作戦を指示した辻参謀は、戦後戦犯裁判を逃げ回り、国政に関わる議員になったという。その最後はなぞにつつまれているが、偉そうなことを言っている人に限って、極限の状態では、卑怯なふるまいが目立つ。人間の記録として真の人間性をえぐり出した作品。3000名の連隊は、わずか122人になって帰還(といっても日本の土は踏めない)する。戦後日本はこの人々の遺骨を本気になって帰2016/12/29