内容説明
近年,広く問題になっている学校の多忙化.日々教師の長時間労働などの状況が報じられていますが,教師本人は「どう忙しいのか」「実際どう感じているのか」などの本音は言いにくいもの. そこで本書では実名・現役の公立学校教師が,今の学校の実情や,多くの先生たちの悩み・思いを,隠すことなく赤裸々に語ります.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
崩紫サロメ
20
公立中学校の現役教諭が自らの働き方を綴ったもので、衝撃的なものだった。教育委員会から指導主事という人が訪問するのに合わせ、そのために「見せるための学習指導案」を作らなければならない、給特法という法律により、時間外労働手当が出ないなど、「教師が生徒のために勝手にやっている」では済まされない制度的な問題があると感じた。これでは教師になりたいという人は減るだろうし、国が動かなければどうにもならないのでは……と思ったり。2020/06/24
せっかちーぬ
19
「先生、休校中暇でよかったですね」って、よく言われたけど、休校中もウィルスに怯えながら、がっつり定時出退勤。定時で抜けられてよかったが正しい。自宅のPCでオンライン研修を受けるために有休を取り、受講料は自腹。そんなの普通。車通勤必須の自治体教員が、大きい車に乗ってるのは、部活道具を載せるため。そうそうあんなこと、こんなこと、全て子どもの為と言って、時間も所得も搾り取られる。魅力ないよね。なり手いないよね。なんとかしなきゃね。まずは社会との隔たり取りたいよね。読んでみてください。2020/09/12
boo
18
読メで見かけて図書館で予約して読みました。小中学校に勤務した内側からの訴えです。最近は先生という職業になりたいと思う人が減っていて採用試験の倍率もかなり下がっています。だからといって誰でもなれるではなった後が大変です…授業以外の知られていない先生の仕事がかなり細かく書かれています。毎年のように追加されていく学習内容…小学校は毎年違う学年を受け持つため授業研究も大量です。やらなきゃいけないこととレベルアップするためにやりたいこととやってあげたいこと…取捨選択と効率化が必要ですね。2021/03/21
いぬたち
13
現役教師がいかに教師という仕事が過酷かを書いた一冊。授業をこなし生徒の言動に気をかけ校内の運営を行い更に部活動を担当しなきゃならない等仕事が多岐にわたっているにもかかわらず更に英語やプログラミング授業などとやる事増えるが減る事がなく、教師はブラックと言わざるを得ない内容が赤裸々に書かれている。勿論それらの解決の糸口をいくつか提示されているが時たま挿入される教師として働く喜びの記載が極めて印象的であった。2020/08/09
chietaro
13
ただでさえ仕事が多いのに、コロナ禍でさらに大変さが増した気がします。「ビルド&ビルド」は納得です。学校の世界は削ることに大きなエネルギーを使います。「前年度踏襲」じゃないと波が立つことがあります。この本は教員の仕事を、他の職種に置き換えた場合のシミュレーションなど、教員の多忙さをわかりやすく伝えています。また、子どもたちの多忙感にも触れています。学ぶことが多すぎます。教員と子どもたち、お互いにゆとりを持って学校で過ごしていける世の中になって欲しいと願っています。2020/06/13