中公新書ラクレ<br> 「第三者委員会」の欺瞞 報告書が示す不祥事の呆れた後始末

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中公新書ラクレ
「第三者委員会」の欺瞞 報告書が示す不祥事の呆れた後始末

  • 著者名:八田進二【著】
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 中央公論新社(2020/05発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121506856

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内容説明

★真相究明どころか
追及からの〝隠れ蓑〟 


不祥事を起こした企業や行政組織が、外部の専門家に委嘱して設置し、問題の全容解明、責任の所在の明確化を図るはずの「第三者委員会」。だが、真相究明どころか、実際は関係者が身の潔白を「証明」する?禊のツール〟になっていることも少なくない。調査中は世間の追及から逃れる?隠れ蓑〟になり、ほとぼりも冷めかけた頃に、たいして問題はなかった――と太鼓判を押すような報告書もあるのだ。第三者委員会を徹底分析する。


厚労省の毎月勤労統計
東京医大の入試差別
日大アメフト部の反則
朝日新聞の捏造
東芝の不適切会計

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

TATA

34
冒頭より第三者委員会が機能しなかったケースの記述が続き正直辟易。ちょっと悪様に書きすぎじゃないかとさえ感じるところも。結局、いくら不祥事が発生しても前近代的な経営者は自己保身に走り、企業の膿みは摘出できない。一昔前はそれでも通用したのだろう。だが既にそんな時代ではない。第三者委員会などに任せず、企業が独力で自浄機能を具備することが当然求められる時代になった。社外取締役と監査役を機能させる会社ではないと市場から淘汰されるということ。著者の熱い思いに得心できた。好著。2021/02/13

まると

25
第三者委員会と言われると、外部の専門家の力を借りて公明正大にきちんと調べてますよというイメージは確かにある。けれど、厚労省から日大、東京医科大、東芝、神戸製鋼、朝日新聞、JОCと世界に名立たる企業・組織でもこんないい加減な調査結果しか示せないのを見るにつけ、それがいかに欺瞞に満ちたものであったかを認識させられた。不祥事を起こした側が一件落着を図るための禊のツールにしているとの指摘もあながち間違ってはいないだろう。喉元過ぎれば熱さを忘れるメディアにも、著者は厳しい目線を投げかける。肝に銘じなければならない。2022/03/30

おせきはん

22
近年、問題が発生した際によく設置される第三者委員会の実情が鋭く分析されています。第三者委員会が、本来の設置目的である全てのステークホルダーのためというよりも、関係者の身の潔白を証明する禊のツールになっているとの著者の指摘を読み、私自身の第三者委員会に対するモヤモヤはスッキリしました。第三者委員会が有効に機能した例もあるそうなので、第三者委員会が本来の役割を果たせるようになることを期待します。2020/06/10

roatsu

21
第三者委員会は不祥事を起こした組織が「任意」に設置して実態調査を依頼し、法的根拠や強制力を伴う調査権限を伴わず、報告書に法定基準も客観的評価指標もない、自ずと限界のある存在だという前提は踏まえて読む必要がある。第三者委員会報告書格付け委員会という有識者団体の委員である著者が、過去に公表された報告書を評価した中で低評価の9件と高評価の1件を改めて確認し、第三者委員会の現状と今後へ提言を行う一冊。正直なところ大分恣意的でOKY(お前が来てやってみろ)と思われなくもない指摘が多いかなと感じたが、金融業界や管理2020/05/12

あんさん

6
そもそもは取締役自身が「第三者」視点を持って経営するのが大前提なんだろう。当然、監査役も。それからは八田先生のおっしゃるとおり、第三者委員会の前に、まず社外取締役の出番なんだと思う。某有名事例の調査チームメンバー10人全員が、某法律事務所一社独占だったと初めて知り驚きだった。2020/08/18

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