創元推理文庫<br> 知りすぎた男

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創元推理文庫
知りすぎた男

  • 著者名:G・K・チェスタトン【著】/南條竹則【訳】
  • 価格 ¥850(本体¥773)
  • 東京創元社(2020/05発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488110208

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内容説明

「我々は知りすぎているんです。お互いのこと、自分のことを知りすぎている。だから、僕は今、自分の知らない一つのことに本当に興味をおぼえるんです──あの気の毒な男がなぜ死んだか、ですよ」新進気鋭の記者ハロルド・マーチは財務大臣との面会に向かう途中で出会った奇妙な釣師とともに自動車が断崖から転落するさまを目撃する。後に残されたのは車の残骸と男の死体だった。なぜ彼は昼日中見晴らしの良い崖から転落したのか? 国際情勢への鋭い眼差しが光る、英国的諧謔精神に満ちた連作ミステリ集を新訳にて贈る。創元推理文庫初収録作。/【収録作】「標的の顔」/「消えたプリンス」/「少年の心」/「底なしの井戸」/「塀の穴」/「釣師のこだわり」/「一家の馬鹿息子」/「彫像の復讐」/解説=大山誠一郎

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

200
★★★☆☆ チェスタトンと言えばブラウン神父が有名だが、実はそれ以外にもかなり面白い短編が沢山あり、本作もその一つ。 得意の逆説的ロジックはやや控えめだが、その分割と正統派のミステリになっていると感じた。 特に好きなのは読後の余韻が大きい『釣師のこだわり』。 ラストを飾る『彫像の復讐』も、話の構成がクリスティやクイーンの某作品に通ずるものがあって味わい深かった。2020/11/04

Tetchy

138
“知りすぎた男”ホーン・フィッシャー。彼は知りすぎているがゆえに自分の知らないことに興味を覚える。本書はそれまでのチェスタトン作品と比べるとミステリとしては簡単な部類に入るだろう。しかし真相に隠された犯人の真意やフィッシャーの意図は深みに溢れている。彼は知りすぎたがゆえに大局が見えたが、それを伝えるには時間がなかった。知りすぎたがゆえに自ら行動せざるを得なかった。そして周囲は彼の理解力に追いつかなかったゆえに彼の真意が解らなかった。ホーン・フィッシャー。彼はチェスタトン作品の中で最も哀しい探偵であった。2021/01/14

nemuro

53
“しりとり読書”の128冊目。有名な作家とは知りつつ今まで無縁なG・K・チェスタトン。せっかくの機会なので、エイっと選定。調べてみたら、2021年10月、所用で訪れた函館「くまざわ書店函館店」での購入。上流階級の一員で彼らの背景や秘密を知り尽くしているホーン・フィッシャーを探偵役とする連作短編集で、1920年~22年にかけて『ハーバーズ・マガジン』に連載の8編を収録。時代は、第一次世界大戦の終結直後、英国の隆盛に陰りが見え始めた頃。100年余り前の作品。再読してこそもっと面白さを実感できるのかもしれない。2025/02/11

yumiha

50
短編連作集なのに、次々と新たな登場人物が出てきて前のページに戻って確かめながらだから、手間がかかった。そして探偵役のホーン・フィッシャーが、見た目も冴えないし(げっそり痩せこけて額も禿げ上がっている)、ものうげでくたびれた様子だし、わざと大物を逃がすし、全く魅力を感じないタイプなので、なかなか進まないんですわ💦それが、「一家の馬鹿息子」の章で一変した‼そうか、そんなわけがあったのか…。首相、外務大臣、財務大臣などなどの政界の大物たちが外国の融資家達に牛耳られていて、その被害を押し付けられるのは、英国民。2021/10/06

星落秋風五丈原

30
金髪白皙で背が高く痩せていて鼻も高いが、年齢の割に額は禿げている。一見年齢不詳に思える彼の名はホーン・フィッシャー。さして人目を引く風貌ではないが、国の要職に就いている者とのコネクションが半端ない。これだけコネがあれば何にでもなれるが、生憎本人にギラギラした野心はなく淡々としている。志を持って議員に当選しているが、なぜか国会には一度も行っていない。ならば俗世への興味を失った所謂世捨て人なのか?だから「知りすぎた男」なのか。ワトソン役と主役の立場は真逆だが従来の探偵物語のカタルシスとは無縁である。 2020/05/23

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