内容説明
2020年2月から3月のイタリア、ローマ。200万部のベストセラーと物理学博士号をもつ小説家、パオロ・ジョルダーノにもたらされた空白は、1冊の傑作を生みだした。生まれもった科学的な姿勢と、全世界的な抑圧の中の静かな情熱が綾をなす、私たちがこれから生きなくてはならない、コロナウイルス時代の文学。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
646
24時間限定公開版で。著者のジョルダーノは作家だが、大学院では素粒子物理学を専攻。本書は、そんな著者によるコロナ禍に対する緊急アピール。分析は数学モデルを用いて冷静沈着になされるが、それを語る思い、さらには今、一人の作家として、そして現代に生きるインテリゲンチャとして、ぜひとも緊急に伝えなければとの思いは熱い。それは、とりわけ「あとがき」に何度も繰り返される「僕は忘れたくない」に顕著に表れているだろう。コロナウイルスから自らを守ることよりも、弱者(さまざまな位相の)を巻き込まないことの責任を強く説く。2020/04/11
美紀ちゃん
302
2020年4月に出版。 まだまだもやもや時期なのに、的確な指摘だと思う。コロナを止めるにはワクチンが必要。中国武漢市の市場では様々な野生動物が生きたまま、互いに密接した状態で扱われていた。異種混合は病原体が伝染しやすい。この病原体がなぜ発生したのか?つきとめることは、重要な疫学のミッション。秘密実験の研究室からアンプルがひとつ盗まれた説。 万里の長城は月から見えるという噂があるが、確かに巨大だが幅がひどく狭い。月から見えるはずがない。フェイクニュースは広まりやすい。無数の憶測がさらに増えて不正確な思考に。2021/03/30
あきぽん
268
イタリアの30代の物理学者兼作家がコロナ禍のピーク時に書いたエッセイ。理系の冷静と文系の情熱が見事に融合した簡潔で素晴らしい文章。2020年はコロナ禍が世界は有機体のように繋がっていてひとりひとりが構成要素だということを、オリパラに代わって私たちに気づかせた。新規感染者数は減ったけど、われわれはどこへ向かっていくのだろう。2020/05/18
seacalf
268
【4月12日19時まで全文公開中】 https://www.hayakawabooks.com/n/nb705adaa4e43 今知りたいこと、そしてこれから先に心構えしておくべきことが溢れている。平易で読みやすい。冷静な考察の鋭さに感心、腑におちる。メモした文章は多数。短いエッセイなので時間もかからずに全文読める。中学生くらいでも頑張れば読めるはず。ウイルスに負けない決意で日々生きるすべての人にお勧めしたい。沢山の人の目に触れてほしい。今夜19時までなら無料。読むべし。2020/04/12
旅するランナー
251
コロナの時代への学者的視点。最近の僕たちの孤独感、詩人ジョン・ダンの瞑想録にある「誰もひとつの島ではない」通りの一人一人の責任感、国民と政治家と専門家の間の不信感などに関し、冷静に語りかけます。ネガティブとポジティブのバランスが取れていて、ストンと腑に落ちます。7月11日現在国内感染者数21500人だから、まだ日本の感受性人口(ウイルスがまだこれから感染させることができる人々)は1億2591万人となるわけです。何とも言えない閉塞感・緊張感・焦燥感が続きます。コロナの時代の経験を、僕は忘れないようにします。2020/07/12
-
- 電子書籍
- 三食昼寝付き生活を約束してください、公…




