内容説明
万物を癒す神にまつわる表題作ほか、流罪人に青天狗の仮面を届けた男が耳にした後日談、死神に魅入られた少女による七十七人殺しの顛末など。デビュー作『夜市』を彷彿とさせる傑作ブラックファンタジー!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
114
朱川湊さんと恒川光太郎さんは私が愛読している作家さ案で不思議な世界をうまく描いてくれていますが恒川さんの方がより怪異的なものをうまく描かれていると思っています。この作品集は6つの作品が収められていますが大人の童話というかそれほど怖さは感じないものの後でじわっとくる感じです。表題作と最後の「カイムルとラートリー」が印象に残りました。コミックの諸星大二郎さんの作品を思い出します。2025/09/23
H!deking
104
いやー面白い。恒川さんの世界観、癖になります。くー、色々考えさせられる。おすすめ!2020/05/04
アッシュ姉
102
待ちに待った文庫化!久しぶりの恒川ワールドへの旅を存分に満喫。本を開けば、すぐさま異界へ。惹き込まれるような、引きずり込まれるような、取り込まれるような唯一無二の不思議な感覚がたまらない。怖いようでどこか懐かしく、残酷さと優しさが同居し、やるせなくて切なくて愛おしい。ブラックファンタジーも絶品だが、次はやっぱり幻想ホラーが読みたい。2020/06/29
chantal(シャンタール)
87
短編6編どれも名作!輪廻については、生まれ変われるならいいじゃないと思っていたが、仏教では六道輪廻は苦しみのうちの一つ。恒川さんの作品は何者かに囚われ、そこから抜け出せなくなる怖い話が多いが、輪廻ってこう言うことかも?と納得してしまう。確かに幸せではない。一番考えさせられたのは「死神と旅する女」。一つ間違えばテロによる言論弾圧、悪い奴なら私刑は許されるのか?と言う難しい問題を孕んでいる。それによって戦争のない世の中に出来たならば、それは喜ばしい事なのだろうか?「カイムルとラートリー」、心が温かくなる物語。2021/07/07
眠る山猫屋
86
ビビッドな短編集。恒川さんらしいってどんなんだろう…そんな迷いも在りながら、心を翔ばせられた。 幽界の狭間に迷い、流罪に絶望し、多元世界を駆け抜ける。思考の牢獄からは逃げられず、友達の為に全てを賭け、友達のために尽くす。それらは人間だけの感情ではない。 総じて〝脱出〟が表面的なテーマの短編集だったかも。 『死神と旅する女』『カイムルとラートリー』辺りが好みだが『廃墟団地の風人』の恒川さんらしくないハードボイルドなラストシーン、痺れます。 2020/06/10
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