日本経済新聞出版<br> 絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

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日本経済新聞出版
絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか

  • ISBN:9784532358532

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内容説明

2019年ノーベル経済学賞受賞者による、受賞第一作!

いま、あらゆる国で、議論の膠着化が見られる。多くの政治指導者がひたすら怒りを煽り、不信感を蔓延させ、二極化を深刻化させている。対立する人々は、話し合いをすることもままならなくなっている。ますます建設的な行動を起こせなくなり、課題が放置されるという悪循環が起きている。

現代の危機において、経済学と経済政策は重要な役回りを演じている。たとえば・・・・・・
●成長を回復するために何ができるか。富裕国にとって、経済成長は優先すべき課題なのか。ほかにどんな課題を優先すべきか。
●あらゆる国で急拡大する不平等に打つ手はあるのか。
●国際貿易は問題の解決になるのか、深刻化させているだけか。
●貿易は不平等にどのような影響をもたらすのか。
●貿易の未来はどうなるのか、労働コストのより低い国が中国から世界の工場の座を奪い取るのか。
●移民問題にはどう取り組むのか。技能を持たない移民が多すぎるのではないか。
●新技術にどう対応するのか。たとえば人工知能(AI)の台頭は歓迎すべきなのか、懸念すべきなのか。
●これがいちばん急を要するのかもしれないが、市場から見捨てられた人々を社会はどうやって救うのか。

よりよい世界にするために、経済学にできることを真っ正面から問いかける、希望の書。

目次

Preface 序文
Chapter1 経済学が信頼を取り戻すために
Chapter2 鮫の口から逃げて
Chapter3 自由貿易はいいことか?
Chapter4 好きなもの・欲しいもの・必要なもの
Chapter5 成長の終焉?
Chapter6 気温が二度上がったら……
Chapter7 不平等はなぜ拡大したか
Chapter8 政府には何ができるか
Chapter9 救済と尊厳のはざまで
Conclusion 結論 よい経済学と悪い経済学

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sayan

60
当事者の尊厳を承認する、自明のようでイマイチ現実感のない前提を本書は貫く。著者のこの姿勢は「貧乏人の経済学」でも確認ができ、現場の肌感覚を明快なロジックに落とし込む。本書は様々な国際課題を取り扱うが、移民と環境の章が特に刺激的。例えば、移民は母国と受入国の賃金差が移動動機、移民は受入国の職を奪い、給与額を低下させる、通説に対して需要と供給曲線から実証的な反論を試みる。通説を事実、反論を空想と認識しがちな空気感を批判したC・ディケンズの小説「ハードタイムズ」に準え、同書からタイトルの一部を本書に取り入れる。2021/01/22

Koichiro Minematsu

51
chapter6 環境問題がテーマです。読書途中ですが、ズバリの指摘にメモ! 「誰もが明確な選好を持っていて、それに基づいて行動する」のであれば、貧困国に目を向けることなど難しいのかもしれません。自分のことで精一杯なので。しかし、環境問題は地球規模ですよね。厳しくも突きつけられた課題ですね!2021/11/07

TATA

49
大学時代に学んだ経済学は完全市場と需給均衡を前提としたモデル理論、当然実際の経済はこうはいかない。経済成長のメカニズムも十分に説明できない経済学に意味があるのかという問いに対して、ノーベル賞受賞の経済学者両名による提言。グローバルに経済が均質化する中では先進国の成長は困難であり、不平等を是正して質の向上を目指すべきとの論から徐々に社会経済学に。最近多く見る論なのですが、移民、自由貿易、気候変動に対する考え方は参考になる部分も多く、数多の示唆に富む一冊でした、好著。2021/01/12

seki

30
愛のある経済学の話。これまで知っていた経済学はなんとなく浮世離れ感があったが、本書はきちんと現実と向き合っていると感じる。貧困や不平等を扱うテーマは重いが、目を逸らさず、あらためて自分たちには何ができるか考えていきたい。2022/07/30

mikarin

25
2019年ノーベル経済学賞を受賞した二人の著作。世論調査によると経済学者は政治家の次に信用されてないそうです。分かる。経済学者って何してる人?こうすればお金が儲かるとかこうすれば経済が成長するとか適当な事を言ってる人だと思ってました。でもそれは大きな誤解であることがよく分かる本。経済学というと難しそうだけど現在の地球規模の問題(移民、貿易、成長、不平等、環境)について分かりやすい言葉で書かれていて読みやすい。こういう人いるんだ。パンデミック前の本なのでその後どんな変化が起きているのか分からないですが。2020/10/27

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