内容説明
「日本の寿命」は尽きたのか! 少年凶悪犯罪、エリート汚職、心まで荒廃した日本人に再生の道はあるか? ――薬害エイズ、証券・金融腐敗。阪神大震災への拙劣な対応。超優良企業が社会に背を向け、モラルを喪失したエリートが私利をむさぼる。戦後半世紀、いったいこの国に何がおきているのか? 再生への道は常に現場にありとする著者が、蔓延する精神の頽廃(たいはい)にメスを入れ、価値観の180度転換を訴える警世の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gotoran
16
世間を驚愕させた忌まわしき事件・失敗の数々(水俣病、薬害エイズ、医療ミス、阪神大震災、原発関連不祥事、他)を、その道の専門家である著者が、詳細かつ冷静に分析、評論・考察していく。そこで見えてくるのは、医療問題に蔓延る権威主義、失敗を活かせない体質、情報隠しの体質、危機管理意識の希薄さ、人間性軽視の効率優先社会、高学歴者の倫理観の欠如、災害時における弱者への無配慮。極論すると、指導的立場の要人(権威者、官僚、政治家等)の慢心と不誠実さ[失敗の本質]。最後に著者云う、「モノ信仰」「カネ信仰」から コメへ続く2013/01/09
Salsaru
13
20年近く前のエッセイ。まだまだ変わっていない。「失敗から学ばない」のと、例外と応用に対する対応力がない。2014/04/17
うりぼう
9
起きてしまったことは、仕方がない。皆で受け止めよう。原因追求は、死者を鞭打つのと同じ。学ばずに次に進んでしまう。2000/12/10
kochanosuke
8
内容密度が濃くてズッシリ重い本。付箋だらけに。「この国の失敗の本質」を"分析"しているだけじゃなくて、必ず提言にまで繋げられてて"日本の明日への提言集"となっている。1998年刊行。ちょうど読んでるときにTVで「認定遺伝カウンセラー」という職業の女性の番組があるのに目が止まって観て良かったり、阪神大震災の章では(東日本においてはどこまでこの提言がいかされたんだろう)と気になったりと、関心が広がります。2012/02/26
ちぃ
5
結構古い本で、阪神大震災とか、 もんじゅとか、オウムとか、第二次世界大戦とかがテーマなんだけど、 その当時から全く変わってないな日本は。って思った。 失敗というよりも、その「空気」自体が日本の本質なのかもしれないですね。 実際の生死より社会的地位に重きを置くというのは人間ならば日本人だけでなく持っている感覚だろうが、まずは間違いを認めること、人に助けを求めることから始めてもいいんじゃないだろうか。