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内容説明
近代日本文化誕生の裏面史!
「anan」「Hanako」にて書評掲載!
大正モダンを華麗に活写する近代日本文学誕生秘話。
大正時代末――大阪のプラトン社に集いし者たちが日本文化の新境地を開く!
各話末に作者による追補テキストに加え、巻末には大正・乙女デザイン研究所所長の山田俊幸による解説「パリ・アール・デコ、シベリアを駆ける」を収録。
【あらすじ】
関東大震災の約三ヶ月後、一九二三年(大正十二年)十二月、中山太陽堂(現クラブコスメチックス)が興した出版社「プラトン社」は『文藝春秋』に遅れること一年、直木三十五と川口松太郎を編集者に迎えて雑誌『苦楽』を創刊した。
執筆陣は谷崎潤一郎や菊池寛が名を連ね、後に資生堂の「花椿マーク」を生むデザイナー山名文夫や、スター挿絵画家として名を馳せる岩田専太郎も参画した。
大正末期のモダニズムを体現し、若き才能を多く輩出した「プラトン社」を舞台に描かれる日本近代文学勃興の裏面史。
これにて完結。
【登場人物】
岩田専太郎 22才(昭和の挿絵画家、第一人者)
川口松太郎 24才(第一回直木三十五賞受賞)
直木三十五 33才(直木賞として名を残す文人)
小山内薫 43才(日本現代演劇/新劇の祖)
山名文夫 26才(日本デザイン伝説の先駆者)
国枝史郎 36才(怪作『神州纐纈城』の作者)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Bo-he-mian
13
ま、まさかの国枝史郎登場!・・・も束の間、これにて完結(涙)。本作の知名度が低かった事がひとつの要因なのだろうが、扱っている題材は非常に意義あるものなので、出版社側にはもっと忍耐力をもって作品に接してもらいたかった。あと、書店員や漫画読みを自称する連中には、こういう作品こそ支持して欲しいよなぁ。判りやすいメガヒット漫画にポップつけるだけが能じゃないだろ。/ 大正時代を舞台に、日本近代文学の誕生夜話を描く本作、第2巻では主人公の川口松太郎を押しのけ、一世を風靡した挿絵画家・岩田専太郎が中心だ(笑)。2020/04/15
緋莢
9
完結巻。「小説と挿絵は飯と汁 なくっちゃあ始まらねえヨ」川口松太郎が、初めて文章を書いて原稿料を貰った時 挿絵を描いていたのは、岩田専太郎だった。川口は、その専太郎を「お前とまた仕事をしたい」と 葉書で呼び出して…今巻のメインとなるのは、後に川口松太郎との黄金コンビとして、多くの作品を世に出した岩田専太郎と その妹・とし子。専太郎にとっての〝ミューズ”が とし子で…という、歪さを思わせる関係が描かれています。(続く2025/11/06
コリエル
8
完結。関東大震災後にわずかな期間だけ関西が日本の中心地として返り咲き、モダニズムの精華を発する場となっていた。現代から振り返ればまるでSFの架空の設定かのようだ。そんな中で絵師岩田専太郎は、震災とミューズたる妹を喪失した傷が癒えぬまま、日を送る。当たり前にあった日々が失われてもう戻らないという感覚は、奇しくも2020年のいま世界中の誰もが経験することになっている。岩田の喪失感にとても共感出来てしまった。機会があれば飛ばされたエピソードたちを読みたいなあ。2020/04/17
blue_elephant
7
1巻から2巻と登場する、小山内薫、川口松太郎、直木三十五、岡本かの子、岡本太郎、菊池寛、芥川龍之介、谷崎潤一郎などのエピソードもあり。2巻は挿絵画家岩田専太郎が主人公のようになっていて、疾風のごとく無理やりゴールした感が否めない。まだまだ、描かれていない話もあるのだろう。少し残念だけれど、久々に良質な漫画に出逢えた。2021/01/05
チェアー
7
もっと長く続くのかと思いきや、これで完結と。残念。綺羅星のごとく現れ、歴史の中に消えていったプラトーン社。その歴史的意義が群像劇としてわかりやすく描かれていた。絵のタッチは好みだった。2020/06/17
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