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内容説明
【大正文士の青春群像劇】
川口松太郎 23才、直木三十五 32才、芥川龍之介 31才、菊池寛 34才、谷崎潤一郎 37才、小山内薫 42才。
『文藝春秋』創刊の年、若き文人らの眩き軌跡――
一九二三年(大正十二年)九月一日、未曾有の大地震が関東一円を襲う。
死者十万五千人、家屋全壊訳十万九千、全焼二十万二千余棟…
出版社や本屋が集中していた神田周辺も壊滅的な被害を受けた。
失われた書籍は数百万冊にのぼり、この年に創刊された『文藝春秋』もその例外ではなかった。
一方『大大阪』の呼称で親しまれ、当時人口で東京を凌駕していた大阪は、モダニズム文化が花開いていた。
その代表とも言われるプラトン社の雑誌『苦楽』を創刊すべく、その後の文学界を担う文士らが集うのであった。
現代演劇の祖とも言える新劇を立ち上げた小山内薫。
小山内を師と仰ぎ、後に第一回直木賞を受賞する川口松太郎。
松太郎と共に雑誌『苦楽』を創刊。
後に小説家として大成し直木賞として名を残す直木三十五。
夏目漱石亡き後の新時代文壇のキラメキ、若き文士らの交流と奮闘する姿を描いた大正文士浪漫。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bo-he-mian
25
山田参助『あれよ星屑』のアシだった永美太郎の、初連載・初単行本。関東大震災後の大正12年。文学を志す青年・川口松太郎は師匠・小山内薫を訪ね大阪へ。そこでクセモノ・直木三十五…そう、後に「直木賞」に名を冠する事になる〈その男〉と出逢う。「大衆文学」などの新興文芸興隆前夜を舞台に、若き文士たちの青春が交錯する。他にも小山内薫、芥川龍之介、菊池寛、岡本太郎(少年)、太郎の母・かの子と父・一平などが登場。次巻では絵師・岩田専太郎も! 以前、大衆文学運動の年表まで作った事があるので、何か懐かしいような気分(笑)。2019/02/01
チェアー
14
大大阪の熱気のなか、新しい文学、新しい演劇を目指して走り回った人たちがいた。直木三十五や川口松太郎、小山内薫なんて、なかなか取り上げられることのない人が描かれていて面白い。2はだれが主人公なんだろう。2019/03/24
奇月針
10
今後の展開が楽しみ過ぎる漫画。大正時代の文士が好きな人には是非とも読んでほしい!川口松太郎、谷崎潤一郎、芥川龍之介、菊池寛、岡本かの子などの文士が登場します。また、直木三十五がいいキャラクターしています。直木三十五の本も読んでみようと2019/02/11
ごぅ。
9
大正文士青春群像劇。川口松太郎・直木三十五を中心に関東大地震での壊滅的な被害。そこから端を発しての当時人口で東京を凌駕していた大阪を舞台にし、文芸雑誌『苦楽』創刊に向けての第一巻。。。この時代の作家・芸術家は好きな人が多くて繋がりもみえてくるとよりお話として愉しめる。一大事に残した陰を強く印象づける場面が多かった。続きも読みたい作品。2019/09/14
コリエル
8
こういう近代文学や芸術家たちのあったかもしれぬ日々を描く漫画は好き。谷口ジローの坊ちゃんの時代みたいな。作中の舞台は大阪で、関東大震災で東京が混乱し、人やものが上方に集中した時代もあったと。言われてみればそういうこともあるだろうな。主人公の川口松太郎は先輩文士の小山内薫や直木三十五を見送り、その後の数十年を送ったと思うと彼が何を思ったのか気になる。2020/03/26