内容説明
退場からが、人生だ。
「普通の人はいつ会社をやめるんやろ」。二千本安打達成目前に迫ったものの、衰えを隠せないスラッガーの宇恵康彦。肩たたきを迫る球団とファンからのプレッシャーを背負い、いざ勝負の打席に臨んだが――。球界に集う愛すべき面々が見つけた、退場の後の8つの人生。書下ろし短編「笑えない男」を新たに収録。
本書は、『去り際のアーチ』(徳間文庫)に書下ろし短編を加えた増補改訂版です。
<目次より>
・「塀際の魔術師」 お荷物になった四番打者
・「スイートアンドビター」 リストラ寸前の老解説者
・「カラスのさえずり」 四十路のウグイス嬢
・「永遠のジュニア」 気弱な二代目オーナー
・「トモ、任せたぞ!」 中間管理職コーチ
・「旅立ちのフダ」 半人前のダフ屋
・「笑えない男」 人望のない学生キャプテン
・「人生退場劇場」 四角四面な堅物審判
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふじさん
88
「笑えない男」の大学野球の投手の尾藤誠一の野球に打ち込む姿勢、「人生退場劇場」のプロの審判員の野上春雄の審判という仕事に頑なに取り組む姿勢。二人の野球に懸ける一徹さには、心が動かされると同時に、何故か可笑しさもこみ上げてきた。「壁際の魔術師」は、全盛期を過ぎた選手の悲哀が巧みに描かれている。さすが元スポーツ記者の経験が存分生かされていると思った。元監督の解説者やウグイス嬢、野球コーチ、ダフ屋、プロ野球のオーナー等、あまり野球小説には登場しない人々が主人公として描かれていて興味深く、読みことが出来た。2022/10/06
ポチ
50
野球界に係る人達の退場(引退)の場面を描いた短編8話。明日に繋がる前向きな退場にホッと心が温かくなりました。2020/05/24
drago @高校野球観戦中。
23
プロ野球選手、解説者、ウグイス嬢、ダフ屋、審判などなど、プロ野球に携わる人々を題材にした短編集。 ◆著者がサンケイスポーツの元記者ということで、さすがに知識は豊富。 ◆しかし、小説としては残念ながら全く面白くない。ストーリーに捻りが無く、話のオチもありきたりというか無いに等しい。期待外れ。 ☆☆2020/08/09
しげき
21
野球に携わる人達の短編物語集。改めて野球ってええなあと思う。2023/08/30
蕭白
6
いい時間が過ごせました。2022/03/25