内容説明
本書の研究の手法は、ジェンドリンを介した彼の師なるディルタイが『創作と体験』の中でシェークスピアやゲーテの文学作品から「体験―表現―理解」の道筋を見出したように、ウルフ文学を根拠にしていやしの「手がかり」を「手ごたえ」に変えるべく体験過程の一定の「方程」を見出そうとする解釈学的な試みであった。その基となる私自身のいやし体験から見出したものはいたみといたわりの「交差」(ジェンドリン、池見)というフォーカシングの「ハンドル表現」(同)であった。
かくて、「自身の事例性」を舵として大海をこぎ出した私であったが、それはあたかも舟を操る「老人と海」の心境であった。しかしながら、先人の跡を辿ってここに来てようやく得た成果は、人生の受苦たる「いたみ」とそれに寄り添う「いたわり」の手が指し示す虚無感ならぬ人間愛そのものの実感であった。
感想・レビュー
-
- 電子書籍
- 万相の王【分冊版】(ノヴァコミックス)…
-
- 電子書籍
- 東千石さんのメイクアップドール プチデ…
-
- 電子書籍
- 結婚からもう一度〈富豪三兄弟の秘密II…
-
- 電子書籍
- 「男はつらいよ」を旅する(新潮選書) …
-
- 電子書籍
- ピアニストという蛮族がいる 文春文庫