内容説明
月が七つに分裂してから2年後、〈ハード・レイン〉により地球は死の世界と化し、生存者は〈クラウド・アーク〉の1500人のみとなった。しかし、思想の違いから2つの派閥に分裂し、敵対集団は密かに独自の政治組織を組んで、火星への移住を目論んでいた。それは人類を二分する争いのはじまりであった……そして物語は驚異の5000年後の世界へ! 絶滅の危機に立ち向かう人類の未来を描き上げたSF巨篇! 解説/牧眞司
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もち
25
「マーメイドを探してみるけど、君の代わりはいないんだ」◆彗星輸送作戦、最後の蜂起が進む中、地球は壊滅した。生存者は数年の間に2桁まで数を減らし、そして――。5000年後。宇宙では複数の人種が、環状に配されたコロニーでの生活を謳歌していた。■存亡の瀬戸際で起こる分裂と、遥かな未来での地球探検記が展開する。極限状態の向こう側まで到達してしまう第2部ラストは怒涛の面白さ。第3部では宇宙技術SFから転調し、「あの」テーマを壮大な伏線回収と共に浮き上がらせる。2020/05/26
SINKEN
8
【総評】★★☆☆☆【感想】(図書館本) よく言えば読み応えある作品なのでしょうが、自分には長過ぎました。上巻の後半以降はほとんど流し読み状態ですが、遅々として進まないかと思えば、下巻では5千年後の世界とガラッと急展開したりで、ちょっと置いて行かれた感があります。時間をかけてじっくり読み返すと面白さが理解できるのだと思います。2023/04/27
rincororin09
3
壮大な物語。しかし、如何せん設定の解説が多すぎはしないか。読んでも読んでも物語が進まない。僕がせっかちなだけか…。2020/10/04
hryk
2
第3部が始まったところでしばらく放置していたが、意を決して最後まで読んだら面白かった。結末は感動的ですらあった。2022/08/18
aki
2
小惑星採掘、スペースコロニー、テラフォーミング、遺伝子改造等々、近未来SFのあらゆるガジェットを詰め込んだ作品だが、いかんせん記述が冗長な上、未知の物体の記述がわかりにくすぎる。作者からすると、ちゃんとそこまでわかって書いてますよ、というアピールなのかもしれないが、リズムが悪くてエンタメとしての完成度に欠く。学術書ではないのだから、もっと書くところ削るところのメリハリが欲しかった。 にしても、あそこまで減った人類でも争いはなくせないのね。2021/02/15