内容説明
ストリート・アートとはなにか? 美術品となったサイ・トゥオンブリから、路上に名前を書き、消され、書き換え、書き換えられる街中のエアロゾル・ライティングへ、そして高値で取引される匿名作家バンクシーの作品まで。都市・美術・ストリートという三つの切り口から、さまざまな作家・作品を参照しながら、ストリートの本質と、その面白さについて語る。バンクシー展をより楽しむために!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tenouji
9
バンクシーや、ストリートのグラフィティについて知りたかったのだが、あまり書いてない。2020/10/06
TOMYTOMY
2
00年代の実体験とともにある歴史は貴重。 バンクシーがやたらもてはやされる中で堅実な論考。いわゆる「美術」との接点と乖離2023/07/24
ムチコ
2
いろいろな媒体に書き溜めたもの。大山エンリコイサムの作品を(良し悪しではなく)「わかる~」と思ったことがないんだけど、大山エンリコイサムの文章は相当平明に書かれていた。ネイルビルが「自らの意思ではなく周りによってそうなる」ものである、とかは後に出てくる境界線の話につながるし、あとバスケになぞらえて人体の動きは本体(ボール/作品)のためにある、というくだりも具体性のある表現で面白かった。2021/09/06
K.C.
2
ストリートアートについてアーチスト自身が書いた本。グラフィティ(筆者は敢えてそう呼んでいない)の背景、現代美術の意味などを解きほぐす。難解な部分もあれば、スッと入る部分もある。グラフィティにはあまりいい思いはないものの、ヒップホップのバックグラウンドでもあり、興味もあった。その意味で勉強になる。2020/05/05
その他
0
ストリート文化のグラフィティを、美術の文脈を持って「エアロゾルライティング」として再定義していく大山氏の活動と研究が追える。支持体と接触しないスプレーによるライティングは身体性が希薄なモノだと認識していたので、支持体の横断性が身体の解放になるという解釈が痛快だった。 路上での不特定多数の遭遇や、ストリートとインターネットの徘徊についての考察、サインについて掘り下げるアーカイブの拡張性が特に面白かった。 ストリートという括りよりも、都市とペインティングというような幅広さがあった。2023/11/03